【アジア大会ライター取材日記】女子ホッケー日韓戦、熱戦の後に見た涙の抱擁
連日、熱戦が繰り広げられるアジア大会。「THE ANSWER」では現地で取材するライター・平野貴也氏による取材日記を展開する。大会も終盤に突入した11日目は女子ホッケーを取材。準決勝の日韓戦、日本が勝利した後に繰り広げられた「アジア大会らしい光景」とは――。
準決勝で日本が韓国に勝利、試合後に繰り広げられた「アジア大会らしい光景」
連日、熱戦が繰り広げられるアジア大会。「THE ANSWER」では現地で取材するライター・平野貴也氏による取材日記を展開する。大会も終盤に突入した11日目は女子ホッケーを取材。準決勝の日韓戦、日本が勝利した後に繰り広げられた「アジア大会らしい光景」とは――。
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取材11日目を迎え、ゴールが見えてきました。これまで、いくつかの競技を取材しながら、アジア大会の側面を伝えて来ました。国や競技毎に重要性やレベルが違うこと、会場の雰囲気や運営方法に開催国の特色が見られること、他国にも日本に馴染みのある選手がいること……。もう1つ、アジアという同じ地域の集まりであることの影響が挙げられます。メダル獲得総数の争いは、1位が中国、2位が日本、3位が韓国。当初は1ケタ順位が目標だった地元のインドネシアが4位に食い込んで大会を盛り上げています。このデータは、上記の国のチームや選手が直接対決で上位を争うことが多いことを意味しています。
29日は、女子ホッケーを取材しました。準決勝の日韓戦です。試合は、序盤から激しいコンタクトプレーが見られました。前半は、日本がよく動いてチャンスを作り出していましたが、後半に入ると少し足が止まり、次第に押し込まれる展開になりました。しかし、主将の内藤夏紀選手(ソニー)が「攻め込まれるところもたくさんあったけど、無失点に抑えられたことが、チームの成長」と話したように守備で粘り、カウンターで応戦。
試合は最終の第4ピリオドまでスコアレスで進みましたが、49分(試合時間60分)に相手のファウルでペナルティーコーナーを得ました。ゴールライン上、ポストから10メートル離れた地点から大田昭子選手(コカコーラ)がパスを送り、ゴール前でストップして及川栞選手(オレンジレッド=オランダ)がシュートの体勢に入りましたが、大田選手へリターン。ゴール脇から大田選手が先制点を決めました。最後は韓国が全員攻撃のパワープレーに出てきましたが、日本はカウンターから清水美並選手(ソニー)が無人のゴールへシュートを流し込んで、2-0で勝利しました。日本は、決勝進出が決定。ドーハで開催された2006年大会の銀メダルが過去最高でしたが、その成績に並びかけ、悲願の初優勝で成績を更新するチャンスを得ました。31日に行われる決勝戦では、強敵インドと対戦します。