【アジア大会ライター取材日記】日本出身の北朝鮮選手が描く夢「できればコリアで」
北朝鮮ではマイナー種目の空手、自身の活躍で「祖国に空手を」
「違うスポーツも行われていて、空手の大きな大会よりも注目度が大きい。日本で応援してもらうことも多いし、インターネットにニュースが掲載される量も全然違います。祖国の注目も大きいので、この大会で名前を残したり、活躍したりすることで、応援してくれる人たちに喜んでほしかった。でも、まだまだでした」
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北朝鮮では、空手はマイナーだと言います。そのため、高選手は自身が活躍することで、北朝鮮国内における空手の地位を高め、同じ競技をしている仲間の活躍の場を増やすことに貢献したい思いがあるそうです。
「祖国にどれだけ空手を普及させられるか。少しずつでも成果を上げて、一歩一歩、東京五輪を目指したい。今回は(北朝鮮代表が)在日の3人だったけど、北朝鮮でやっている選手たちと一緒に出たい。できれば(韓国との統一チームとして)コリアで出たい」
スポーツ界以外の人たちの理解が必要で難しいことですが、この取材現場には在日の選手、コーチ、そして私と知人の韓国人記者(日本生まれ)がいて、ほとんどのやりとりを日本語でしていました。言葉の垣根を超えてしまうと、ただスポーツという共通項でつながるだけで、何も難しいことはありません。もし、こんな機会が多ければ、私たちはこれが普通なのだと慣れるでしょう。スポーツを通じてアジアがつながることが、アジア大会の最大の魅力と言っても良いかもしれません。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)