【アジア大会ライター取材日記】日本出身の北朝鮮選手が描く夢「できればコリアで」
連日、熱戦が繰り広げられるアジア大会。「THE ANSWER」では現地で取材するライター・平野貴也氏による取材日記を展開する。8日目は空手を取材。日本生まれ、日本育ちの北朝鮮選手がアジア大会にかける思いに迫った。
注目度の高いアジア大会、アピールには絶好の機会
連日、熱戦が繰り広げられるアジア大会。「THE ANSWER」では現地で取材するライター・平野貴也氏による取材日記を展開する。8日目は空手を取材。日本生まれ、日本育ちの北朝鮮選手がアジア大会にかける思いに迫った。
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取材8日目を迎えました。大会メイン会場のゲロラ・ブン・カルノ競技場付近にあるアリーナの位置を把握し、スマートフォン用アプリを使って現地のバイクタクシーを乗りこなすようになり、ちょっと日本では考えられないような運転にもすっかり慣れました。もう、道の脇を逆走するくらいは、驚きません。1週間も経てば、いろいろと慣れてくるものです。
開幕式と閉会式を基準に考えると、26日は大会の後半戦スタートという位置付けです。かなり多くの競技が行われてきた印象ですが、これから始まる種目もあります。40競技465種目。45の国と地域が参加しているという規模の大きさを感じます。
取材1日目の取材日記で、アジア限定の五輪のような大会であるとお伝えしましたが、五輪と同じように選手村もあります。先日取材したバスケットボール女子3×3の奥山理々嘉選手(八雲学園高校)は「世代別の代表で出る国際大会とは、ちょっと雰囲気が違います。いろいろな競技が行われていて、様々な競技の日本代表選手が周りにいて貴重なところにいると感じます。選手村で桐生(祥秀)選手とか陸上競技の(2016年リオデジャネイロ五輪で銀メダルを獲得した400メートル)リレーの選手たちを見かけて、すごいなと思ったし、刺激をもらっています」と話していました。
注目される競技や選手と同じ大会に出るということは、普段にはない注目を集める可能性があるということです。26日に私が取材した空手では、アジア大会の価値を感じ取っていただけに、初戦負けで悔しさを噛み締めていた選手がいました。女子61キロ級に北朝鮮代表として出場した高智蓮(こう・ちりょん)選手です。日本生まれの日本育ち。長野県松本市の出身で、現在は、朝鮮大学校に在学中。試合は接戦でしたが、相手に有効を取られて反撃ができず、逃げ切られてしまいました。