【アジア大会ライター取材日記】香港の選手がプロポーズ、ボランティアが“好アシスト”
連日、熱戦が繰り広げられるアジア大会。「THE ANSWER」では現地で取材するライター・平野貴也氏による取材日記を展開する。6日目はメインプレスセンターで配られた1枚のリリース。フェンシングの香港選手が表彰式でプロポーズしていたという。そんな“大勝負”を好アシストしていた意外な人物とは――。
1枚のリリースが知らせたニュース「香港選手が99本の薔薇の花束でプロポーズ」
連日、熱戦が繰り広げられるアジア大会。「THE ANSWER」では現地で取材するライター・平野貴也氏による取材日記を展開する。6日目はメインプレスセンターで配られた1枚のリリース。フェンシングの香港選手が表彰式でプロポーズしていたという。そんな“大勝負”を好アシストしていた意外な人物とは――。
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取材第6日を迎えました。今回は、ちょっと良い話をお届けします。東京五輪に向けて、ボランティア募集の要項が問題視されていますが、このアジア大会でも多くのボランティアスタッフが働いています。私たち取材陣の多くが活動や移動の拠点としているMPC(メインプレスセンター)にも、様々なボランティアスタッフがいます。交通情報の担当は、最新のシャトルバスの情報を教えてくれます。中には、重要事項や周知したい情報を印刷し、MPCで配布する人たちもいます。特に今大会のボランティアスタッフは各会場とも非常に親切で、積極的に話しかけて問題点を聞き出してくれるので、助かっています。プレスルームや記者席、バスの発着所などを聞くと、一緒に歩いて案内してくれるほどです。
24日の朝のことでした。ジャカルタから車で東に1時間ほど離れているブカシで行われる男子サッカーを取材するため、MPCでシャトルバスの情報を得て、作業をしながら時間を待っていました。すると、ボランティアスタッフから1枚のプレスリリースを渡されました。「フェンシングの試合で、感動的なことが起きました」という書き出しで始まった文章は、香港の林衍聰(LAM Hin Chung)選手が、彼女にプロポーズをしたという内容でした。
林選手は、男子サーブル準決勝の韓国戦で第7試合に出場。自身もチームも敗れましたが、3位決定戦が行われないため、銅メダルを獲得しました。プロポーズが行われたのは、表彰式のとき。彼がリクエストをすると香港でよく知られている音楽が鳴り、用意した99本の薔薇の花束に大会マスコットが添えられて登場。「サプライズは、観衆の心をとかすのに十分でした。その場にいた人々のほとんどが、感動の瞬間を捉えようと携帯電話(カメラ)を構えました」とプレスリリースには美しく表現されていました。