高校時代は「こんなに走るのかと」 名門出身の浦和ユース監督、指導者として感じる部活との違い
サッカーのプリンスリーグ関東1部に所属する浦和レッズユースは今季、昨シーズンまで4年間コーチを務めた46歳の萩村滋則氏が新監督に就任した。高校年代最高峰の大会であるプレミアリーグEASTへの復帰を目指すとともに、プロで活躍できる選手の養成を念頭に置きながら、個と組織の強化に励む日々だ。(取材・文=河野 正)
柏などで活躍した46歳萩村滋則、今季浦和ユース新監督に就任
サッカーのプリンスリーグ関東1部に所属する浦和レッズユースは今季、昨シーズンまで4年間コーチを務めた46歳の萩村滋則氏が新監督に就任した。高校年代最高峰の大会であるプレミアリーグEASTへの復帰を目指すとともに、プロで活躍できる選手の養成を念頭に置きながら、個と組織の強化に励む日々だ。(取材・文=河野 正)
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大分トリニータのトップチームコーチから、2019年に浦和ユースに転籍した元Jリーガーの萩村氏は、育成年代の指導に長らく携わってきた。
現役時代は柏レイソルやアルビレックス新潟で、主にセンターバックとして活躍。08年限りで引退すると、翌年には現役最後の3シーズンを過ごした東京ヴェルディの普及育成コーチとなり、指導者の道を歩み始めた。16年までの8年間にジュニア監督をはじめ、ジュニアユースの監督とコーチ、ユースコーチなど次代を担う才能豊かな人材を育てる要職を任された。
ヴェルディでの経験は、今の指導にも反映されているのか。
「レッズにはレッズの、ヴェルディにはヴェルディのやり方があるので、クラブ独自の哲学をしっかり理解した上で、自分の色を出すように心掛けています。サッカーはどんどん変わっている。チームに合った手法が必要になってくるし、新しいものを取り入れないといけません」
浦和の指導方針は、サッカーを通じた人間形成と世界に通用する選手の輩出で、20年2月からは“心を動かす”というスローガンをアカデミーの理念に加えた。
萩村監督は三重の名門、四日市中央工高の出身。第70回全国高校サッカー選手権で帝京と優勝を分け合った時の主力、小倉隆史や中西永輔らと入れ替わって1992年に入学した。在学中は全国高校選手権に3度、インターハイに2度出場。数多くの名手を育てた城雄士監督の最後の教え子でもある。
当時はOBの樋口士郎コーチが指導の最前線にいたそうだが、「こんなに走るのか、というくらいきつい練習でした」と笑った後、「サッカーへの姿勢を少しでも緩めたら脱落してしまうので、常に自らを律していました」と高校時代を述懐する。