日本バスケを牽引した五十嵐圭の今 43歳になっても現役を貫く理由、20年目のキャリアで見えたこと
8月25日からバスケW杯が開催 日本代表は「本当に若く才能ある選手がたくさんいる」
Bリーグが始まって7シーズン目。日本全国で各クラブが進める地元密着型の運営が少しずつ花開き、バスケットボールは身近なスポーツとして日本社会に根付いてきた。さらに、八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)や渡邊雄太(ブルックリン・ネッツ)ら日本人NBA選手の活躍、映画「THE FIRST SLAM DUNK」の大ヒットも相まって、若年層での人気は目を見張るものがある。
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そんな中、8月25日から9月10日の日程でフィリピン、日本、インドネシアが舞台となる「2023年FIBAバスケットボール・ワールドカップ」の開催もまた、日本でのバスケットボール熱を押し上げるビッグイベントになりそうだ。2006年に日本で開催された前身大会「FIBAバスケットボール世界選手権」に出場した五十嵐は、トム・ホーバス監督率いる日本代表に期待を寄せる。
「2006年は開催国枠での出場でしたが、今回は自国開催でありながら自力で切符を勝ち取っての出場。僕が日本代表として活動していた時よりも、本当に若く才能ある選手がたくさんいるので非常に楽しみです。僕自身が今、代表入りするのは現実的ではないと感じていますが、ただ現役である以上はみんな、代表こそが日本の中で目指すべき場所だと思います。今はNBAに挑戦したり、大学を中退してBリーグに入ったり、若くしてプロと呼ばれる選手が出てきて、もの凄いスピードで成長してくれている。年々、世界と戦える力をつけてきた代表チームが、自国開催の声援を受けてどんな戦いを見せてくれるのか、本当に楽しみですね」
世界を相手に日本はどんな戦いを挑んでみせるのか。代表チームの姿に刺激を受けながら、五十嵐もまた自身の目標に向かって挑み続ける。
■五十嵐 圭 / Kei Igarashi
1980年5月7日生まれ、新潟県出身。小学5年生からバスケットボールを始め、福井・北陸高から中央大に進学。インカレ(全日本大学バスケットボール選手権大会)では1年時に3位、3年時に準優勝を経験した。2003年にJBL日立サンロッカーズに入団。チームの中心選手として活躍し、2006年には日本代表としてバスケットボール世界選手権(現ワールドカップ)に出場。トヨタ自動車アルバルクを経て、2010年に三菱電機ダイヤモンドドルフィンズに移籍。6シーズンを過ごした後、2016年に地元・新潟アルビレックスBBと契約した。群馬クレインサンダーズには2021年に入団。圧倒的なスピードと正確なシュートが持ち味のPGで、通算2950得点、通算3ポイント成功数555本などの記録を誇る。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)