日本バスケを牽引した五十嵐圭の今 43歳になっても現役を貫く理由、20年目のキャリアで見えたこと
日本バスケットボールを長く牽引してきた五十嵐圭。日本代表でも活躍した名PG(ポイントガード)も43歳になった。それでも、今もBリーグ最年長選手として、群馬クレインサンダーズで現役を貫く。そんな五十嵐に「BEYOND(~超えて)」をテーマにインタビュー。キャリア20年目を迎えても走り続ける理由、さらにフィリピン、日本、インドネシアで行われる8月のバスケットボールのワールドカップ(W杯)での日本代表への期待について語った。
Bリーグ群馬クレインサンダーズでキャリア20年目を過ごした五十嵐圭
日本バスケットボールを長く牽引してきた五十嵐圭。日本代表でも活躍した名PG(ポイントガード)も43歳になった。それでも、今もBリーグ最年長選手として、群馬クレインサンダーズで現役を貫く。そんな五十嵐に「BEYOND(~超えて)」をテーマにインタビュー。キャリア20年目を迎えても走り続ける理由、さらにフィリピン、日本、インドネシアで行われる8月のバスケットボールのワールドカップ(W杯)での日本代表への期待について語った。
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キャリア20年目となった2022-23シーズン。度重なる怪我に悩まされた五十嵐圭は33試合に出場しながら、初めて一度もスターターに名を連ねることなくシーズンを終えた。1試合の平均プレー時間は7分54秒。チームはB1リーグ昇格1年目だった昨季から勝ち星を伸ばしたが、チャンピオンシップ進出は果たせず。「ファンやブースターの皆さんには申し訳ない気持ちもありますし、個人的にも少し不完全燃焼なシーズンになってしまったなと思います」と、穏やかな口調の中に悔しさを覗かせた。
今年で43歳。リーグ最年長ではあるが、周囲が騒ぎ立てるほど本人にその自覚はない。現役選手である以上、コートに立てば目指すはチームの勝利のみ。年齢を意識することはない。
「若い頃から年齢は関係ないと思っています。しっかり結果を出しながらプレーし続けていく。これは今までと変わらず、これからも挑戦していきたい部分ではあります。ただプロの世界なので、結果を出さなければプレーしたくてもできないのが現実。まずは自分自身ができることを続けながら、現役にこだわっていきたいと思います」
スポーツでは経験の数がプレーに幅と深みを与えることが多い。「特にバスケットボールは経験が生きてくるスポーツ」と語る五十嵐は今季、ベンチから戦況を見守る時間が増えたことで、新たな経験を手に入れたという。
チームの司令塔でもあるPGは、コート上で各選手の表情は動きを見ながら、調子の良し悪しや選択するフォーメーションを見極める。広い視野と観察眼を持つと自負していたが、ベンチから俯瞰する試合は違った色を持って見えた。
「『この選手は疲れてきたな』『あの選手は調子がいいのにボールが回ってこないから欲しがっているな』という部分が見えるようになったり、『自分は何を求められているのか』『コートに立った時に何できるのか』も強く意識するようになりました。コートに立っていない時の見方や考え方は、20年間で初めてくらいの感覚。まだまだ学べることはたくさんありますし、次に生かしたいと思っています」