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なぜ、DeNAラミレス監督はミスを責めないのか 若い才能を育てる「言葉学」

「ミスをしても咎めることはない」―指揮官が明かした理由とは

 昨季、チームを支えたのは、野手では桑原将志、宮崎敏郎、倉本寿彦、戸柱恭孝、投手では石田健大、今永昇太ら、いずれも20代の経験の浅い選手たち。シーズンも終盤に突入した夏頃、指揮官は「彼らがミスをしても、それを咎めることはない」と話していた。選手を指導する立場としては、大胆な発言にも映る。

 しかし、指揮官は理由をこう明かしてくれた。

「ジャイアンツのようなチームと比べたら、彼らは若く、経験が浅い。スタメンの半分の選手が初めてレギュラーとして戦っていることになる。そんな選手たちに監督がミスを責めても、あるいは逆に頑張れと言葉をかけても、重圧に感じるだけだろう」

 現役時代に在籍していた巨人のような常勝軍団と比較すれば、DeNAではプロでの成功体験が少ない選手が多い。そんな若い選手たちが全力を振り絞っている中、現場で一番の権力者である監督が、余計に言葉をかけても重荷になるだけ。それを知っていたから、当時は練習中に野球とは関係ない冗談も交えて選手とコミュニケーションを図ることに努めていた。

 若く経験の少ない選手に自信を与え、能力を引き出していく。ラミレス監督の「後ろを向かない『言葉学』」はDeNAにとって最大限にマッチした指導法と言えるだろう。果たして、就任2年目の今シーズン、どんな言葉で選手を盛り立て、躍進を見せるのか。グラウンドから聞こえてくる指揮官の言葉に耳を傾けたい。

【了】

ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer


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