最年少18歳で女子サッカーW杯世界一 30歳になった今も岩渕真奈は「挑み続けたい」
サッカーの女子ワールドカップ(W杯)が7月にオーストラリア・ニュージーランド共催で行われる。3大会ぶり世界一をかけて挑む日本代表・なでしこジャパン。選手たちは並々ならぬ闘志を燃やしている。12年前で優勝メンバー、FW岩渕真奈もその一人だ。18歳で世界一を経験したストライカーは今年1月、30歳を迎える勝負の年にアーセナルからトッテナムに移籍を決断。自身4度目となる夢舞台への想い、海外で挑戦し続ける信念について「BEYOND(~超えて)」をテーマに聞いた。(取材・文=藤井 雅彦)
7月に開催されるサッカー女子W杯豪州・NZ共催大会への想い
サッカーの女子ワールドカップ(W杯)が7月にオーストラリア・ニュージーランド共催で行われる。3大会ぶり世界一をかけて挑む日本代表・なでしこジャパン。選手たちは並々ならぬ闘志を燃やしている。12年前で優勝メンバー、FW岩渕真奈もその一人だ。18歳で世界一を経験したストライカーは今年1月、30歳を迎える勝負の年にアーセナルからトッテナムに移籍を決断。自身4度目となる夢舞台への想い、海外で挑戦し続ける信念について「BEYOND(~超えて)」をテーマに聞いた。(取材・文=藤井 雅彦)
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2011年7月17日。この日付けは日本女子サッカーの歴史が塗り替えられた日として、サッカーファンのみならず多くの国民の記憶に刻まれている。
なでしこジャパンはPK戦の末にアメリカを破り、W杯を初めて制して世界の頂点に立った。当時のFIFA女子ランキングは日本が4位なのに対して、アメリカは1位。下馬評を覆す日本の勝利に、世界中が驚きに包まれた。
優勝メンバーの一人に、岩渕真奈がいる。決勝では延長後半途中から出場し、優勝の瞬間をピッチ上で体感した。当時は、まだあどけなさの残るチーム最年少18歳。それでも決勝以外にグループリーグ3試合と準々決勝のドイツ戦にも出場したように、早くから才能を高く評価されていた。
名前と、顔と、もちろんプレーで日本の女子サッカーを牽引してきた一人である。W杯には2011年だけでなく2015年、2019年と3大会連続で出場し、五輪にも2012年ロンドン大会と2021年東京大会に出場した。度重なる負傷に苦しみながらも、常になでしこジャパンの中心として戦ってきた事実は色褪せない。
「W杯という舞台の大きさはどの大会でも変わりません。勝利を目指して本気で戦う場所です。でも、自分が置かれている立場は少なからず変化しました。言葉を選ばず言えば、最年少だった2011年はラクでした。今はいろいろなことを経験させてもらってきた中で、立ち位置が違います。多少なりとも自覚と責任を持っているつもりですし、やらなければいけないという気持ちもあります」