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スポーツ部活動を学校にデリバリーする理由 放課後の課外活動格差を是正する試みとは

どのようにしてお金を集めているのか

 では、米サッカー財団や非営利で放課後事業活動の提供する団体はどのようにしてお金を集めているのか。米サッカー財団は、1994年に米国がFIFAワールドカップの会場になったときの余剰金を元手として立ち上げられ、その後はスポンサー企業や財団からお金を集めている。

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 デトロイトのポリス・アスレチック・リーグではフォード社、デトロイトの電力会社、大手銀行などがパートナー企業となっており、ボストン・スコアでは、ボストン公立学校、マサチューセッツ州初等中等教育省などの公的機関をパートナーにしたうえで、個人、企業、財団等からの寄付によって運営している。

 アメリカでは、公立学校でも寄付を集めることが珍しくない。裕福な学区では、保護者を中心にまわりにもお金を持っている人が多いため、寄付があつまりやすい。一方の貧困学区では、保護者や地域にも寄付があつまりにくいといわれており、さらに格差が広がっている実態がある。ロバート・パットナムの著書『われらの子ども』にも、保護者の寄付によって公立校の課外活動に大きな差があることが取り上げられている。つまり、持っていない者は、寄付を集めるのも難しいということだ。そこで、こういった非営利団体が財団、大企業、個人からお金を集め、低所得世帯の子どもに再分配することで、課外活動を提供しているといえる。

(谷口 輝世子 / Kiyoko Taniguchi)

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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