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サッカーリーグ開催でスラム街の子どもに夢を… A-GOALが取り組むアフリカ支援の形

サッカーに打ち込む時間がキベラ地区の子どもたちに夢と希望を与える【写真提供:一般社団法人A-GOAL】
サッカーに打ち込む時間がキベラ地区の子どもたちに夢と希望を与える【写真提供:一般社団法人A-GOAL】

サッカーリーグ開催に向け、クラウドファンディングで支援募る

 今回、笹田さんが支援を募る活動は、ナイロビのキベラ地区に住む子どもたちのためにサッカーリーグを開催しようというもの。皇居2つ分ほどの地域に100万とも200万とも言われる人が暮らすアフリカ最大級のスラム街。10畳のバラックに10人を超える家族がひしめくことも珍しくない。そこでコミュニティスクールを運営するケンとコリンズという2人の若者の願いが、子ども向けのサッカーリーグを常設することだ。

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 岸さんの紹介でケンとコリンズに出会った笹田さんは、選挙戦取材などでケニアに滞在を重ねながら親交を深めた。滞在中は2人に大いに助けられたほか、子どもたちに希望を持たせたいと見返りを求めず地域のために活動する姿に共感。「損得勘定抜きの助け合う心だったり、ウエルカムしてくれる優しさだったり、僕はそれがアフリカの素晴らしさだと思っています」と恩返しの意味も込め、日本で支援を呼びかけることにした。

 サッカーリーグの常設は子どもたちにどんな影響を与えるのか。キベラ地区には公園や図書館などがない。狭い家に居場所がなく、楽しみもない子どもたちは友達と外でたむろしながら空いた時間を潰す。ギャングによる犯罪や薬物依存と隣り合わせの日常で、誘惑に抗えない子どもも少なくない。そこで子どもたちの空き時間を埋める方法としてサッカーリーグ開催が考案された。

 週末と長期休みにリーグ戦を開催し、月曜から金曜はそれぞれのクラブで練習に励む。2022年には3か月間のトライアルを実施。48チーム、約600人が参加し、熱戦を繰り広げた。男子も女子もサッカー好きであれば誰でも参加可能。これが大成功を収めた。

「現地の人たちから評判が良く、感謝の声が絶えなかった。今までクラブはあっても大会がなかったので練習をサボりがちな子が多かったのが、試合があるとなるとものすごく練習をして『勝つぞ!』と意気込んで練習していました」

 試合に向けて練習に励む子どもたちは、クタクタになって家に帰るとぐっすり睡眠。外でたむろするような空き時間はない。「試合には家族も応援に駆けつけてくれますし、親御さんから次のリーグはいつ開催されるのか聞かれるんですよ」と変化の手応えを感じている。

「かつてキベラには子ども向けのサッカーリーグがあったらしく、キベラ出身のプロ選手もいるんですよ。ただ、10年以上も前にリーグがなくなり、上のレベルでプレーするルートが消えた経緯がある。そこを復活させようと。キベラには何十万人という子どもがいるので、その中からプロ選手が出る可能性は十分ある。プロになれなくてもサッカーで奨学金を得て進学することもできる。サッカーを1つの触媒として子どもたちに夢や希望を持ってもらえたらいいなと思います」

 年2回、年齢別で3つに分けたカテゴリーで合計60チーム、約750人の子どもたちが参加するサッカーリーグ開催に向け、2月28日までクラウドファンディングで支援を募っているという。ケンとコリンズが地域に寄せる無償の心をサポートするため、笹田さんの支援活動は続く。

■クラウドファンディングはCAMPFIREで実施中。詳細はこちらから。
https://camp-fire.jp/projects/view/650660?utm_campaign=cp_share_projects_show

(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)

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