「恨みを残さない」サッカーの不文律 一触即発→“談笑”、スペインで見た驚きの光景
判定に抗議したパトリックも守った不文律
「ピッチで起きたことはすべてピッチで収める」
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その不文律は「恨みを残さない」という点で、とても理にかなっている。
冒頭、レッドカードを受けたパトリックが、ピッチを去る際にはお辞儀をしている。判定には不当を訴え、猛抗議した。納得はしていなかったはずだが、下された決断に対しては不文律を守っていた。
鈴木も判定に傲然と胸を張った。「汚い」「卑怯」と誹謗中傷を受けようとも、彼はルールの中、チームが勝つためだけの行動をしたに過ぎない。ピッチの中、勝つためになりふり構わないプレーをし、生き方を貫いている。
また、G大阪の昌子とペレイラも試合後には和解したという。クラブも特別なペナルティは科していない。それは、あるべき姿と言える。
ピッチの中での出来事は、できるだけ引きずるべきではない。
子供たちも目を背けず、ピッチで起こる出来事をすべて見つめるべきだろう。その上で自らが考え、己の中で正しい答えを出す。戦場は曖昧な塩梅の世界で、誰も答えは提示してくれないのだ。
不文律は、一つのヒントになる。
(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)