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日本代表の「選手層は厚くない」 トルシエがW杯メンバー選考に持論「弱点になる」

今の日本代表を指揮するなら「私の哲学から始める」

「ビッグスター不在でも、チーム一丸となって戦えばワールドカップの出場権を獲得し、ベスト16に進出することは十分にできる。これが今の日本に期待できることだ。ただベスト8へ進出するには、対戦相手、試合中のミス、その他の要素もあるが、選手のクオリティだけで言えば十分だとは思わない。

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(森保監督が率いる)このグループはカタール・ワールドカップに向けて準備をしてきた。トップのクオリティを有する選手は14、15人だけ。彼らの層は少し薄く、それが日本の弱点になるかもしれない。怪我などで、主力選手が抜けることもあるからだ。そうなれば、より優れたチームに対しては優位性を保てない」

 実際に日本は今年11月に開幕するカタールW杯で、スペイン、ドイツ、コスタリカVSニュージーランドの勝者とともにグループEに入った。スペイン、ドイツという優勝候補2チームと同居する、かつてないほど厳しい組み合わせ――。2002年大会を経験したトルシエ氏が、もし現在の日本代表を指揮するなら、果たしてどのように戦うのだろうか。

 愚問とは知りつつそう問うと、トルシエ氏は「分からないが、私の哲学から始めるということだけは言える」と切り出し、続けた。

「強固な守備組織が必要だ。ワールドカップのような国際舞台では、日本が攻撃面で問題を抱えることは想像に難くない。特にドイツとスペイン相手にはね。アジアの国々と対戦する時のように、日本が50%ボールを保持できるか定かではない。そのため、日本は守備を上手く組織する必要がある。(自陣に)戻ってきてボールにプレッシャーを与え、コミュニケーションを取り、組織的な良い守備から攻撃への切り替えを行う。日本がそれをできることはみんなが知っている。

 もし、50%以上のボール保持率でパスを回すような試合をしたいと思うのなら、もちろん、それもできるだろう。しかし、私は守備への切り替えに少々不安を感じる。高い位置でボールを持ち、DFの背後に広大なスペースがある時だ。ドイツの守備から攻撃への切り替えは、オーストラリアやサウジアラビアと同じではない。だから私は次の相手を見て、どう考えるかが最初のプロセスだと思う」

 1998年に日本代表監督に就任した際、「日本には守備の文化がない」と指摘し、代名詞と言える戦術「フラットスリー」を導入したトルシエ氏。もし今のチームを率いるなら、“死のグループ”での戦いを見据えて、守備面を整備することを最優先するという。

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