4月日本初上陸「X Games」とは 金メダリスト四十住さくらが「夢の舞台」と語るワケ
五輪メダリストも、五輪出場を見送った実力者も世界トップが集結
会見でBMX界のカリスマ的存在でもある内野が「ストリートスポーツ界では五輪的大会」と言う通り、X Gamesに出場することは選手にとって最大のステータスになる。夏季のX Games開催種目ではスケートボードとBMXが五輪競技となったが、より自由なスタイルを求める選手の中にはX Gamesにより大きな価値を見出し、五輪出場を見送った実力派も少なくない。今回の「X Games Chiba」には国内外から五輪メダリストはもちろん、X Gamesに懸ける実力はが勢揃いする予定で、いわば真のNo.1決定戦とも言えるだろう。
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もう1つ、X Gamesを特別な大会とさせているのは、出場方法がエントリー方式ではなくインビテーション(招待)方式であること。実行委員会に実力を認められた“選ばれし者”しか出場できない。今回も出場予定者の元には約2か月前に招待状が送られていたが、公式発表までは他言無用。内野も「ようやく仲間と連絡を取り合えます」と笑顔を浮かべた。
世界大会で毎回注目を浴びるのが、開催地の文化や特徴にインスピレーションを受けたコースデザインや演出だ。今回はストリート、パークの両コースともに「折り紙」をイメージ。ストリートコースのセンター付近には折り鶴を模したパートも作られる。色彩豊かな仕上がりとなる予定だが、見た目だけではなく世界基準の技術が求められるテクニカルなコース設計で、会見でBMXフリースタイルの中村は「面白そうやなと思った。誰よりも飛んで目立ちたいですね」と話している。
大会アートワークを手掛けるのは、ニューヨーク在住の現代アーティスト、山口歴(めぐる)。固定概念やルール、境界線の超越と拡張をコンセプトとするアーティストで、これまでAlife、BILLIONAIRE BOYS CLUB、FTC、NIKEなどストリートカルチャーを代表するブランド、ISSEI MIYAKE MEN、LEVI’S、OAKLEY、UNIQLOなど世界的企業ともコラボ。今回は江戸時代後期に活躍した江戸琳派の絵師、鈴木其一にインスパイアされた群青色とゴールドの大胆なアートワークに仕上げられている。
また、ストリートスポーツには欠かせない音楽もライブアクトを予定。後日発表されるアーティストのラインナップも豪華な顔ぶれが期待される。
スケートボード、BMX、Moto Xの3競技が一度に楽しめる、またとない機会。ストリートスポーツの真髄を味わえる3日間になりそうだ。
(佐藤 直子 / Naoko Sato)