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鹿島から移籍した横浜FM永戸勝也 トリコロールの攻撃に新たな彩りを与える男の決意

新天地でも「自分は自分の色を出して、ファンやサポーターに認められて肩を並べるような存在になっていきたい」と飛躍を誓った【写真:(C)Y.F.M.】
新天地でも「自分は自分の色を出して、ファンやサポーターに認められて肩を並べるような存在になっていきたい」と飛躍を誓った【写真:(C)Y.F.M.】

横浜FMのサッカーは「信頼関係を築くことがとても大切なサッカー」

 2021年末、横浜FMから正真正銘の正式オファーが届いたことが動かぬ証拠だろう。シーズン後半に入って出場機会が減っている状況にもかかわらず、高い評価を受けた。

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「僕のことをすごく評価してくれているというのが最初の印象で、このチームでやってみたいという思いは数年前から持っていました。だから、あまり悩む時間はなかったですし、楽しみな気持ちで決断しました」

 横浜FMのサイドバックはインサイド寄りにポジションを取ることも多く、タッチライン際を疾走するオーソドックスなサイドバック像とは一線を画する。新たなプレースタイルへの挑戦は平坦ではなく、2019年の優勝に貢献したティーラトンという偉大な先駆者を追いかけるプレッシャーを感じても不思議ではない。

「自分からアクションして動くことが多いポジション。運動量は多くなりますが、リアクションではないので楽しいです。もちろんティーラトン選手の活躍あっての優勝だったことは理解しています。でも自分は自分の色を出して、ファンやサポーターに認められて肩を並べるような存在になっていきたい」

 1月中旬からは宮崎でキャンプを行い、本当の意味で『アタッキングフットボール』に触れてきた。練習試合にも出場し、少しずつ新たなエッセンスを体に取り入れていく。「手応えはあるけど不安というか、見えていないこともある」と話した理由を詳しく聞いた。

「攻撃的なサッカーをするにあたって、横や縦の選手との信頼関係がないとプレーできないなと感じました。守備の場面では、前の選手がプレスに動いたら後ろの僕たちがついていかないと、せっかくプレスに走った意味がなくなってしまいます。反対に、攻撃場面で僕がオーバーラップすれば、後ろにいるセンターバックも前へ出てカバーリングのポジションを取る。それぞれがセットで動くイメージで、だからこそ一体感が重要になる。ピッチ外も含めて信頼関係を築くことがとても大切なサッカーだと思います」

キャンプでも徐々に手ごたえを掴んだ永戸、タイトル獲得へチームのキーマンに【写真:(C)Y.F.M.】
キャンプでも徐々に手ごたえを掴んだ永戸、タイトル獲得へチームのキーマンに【写真:(C)Y.F.M.】

 今はまだ試行錯誤を繰り返している段階かもしれない。状況に応じて適切なポジションを取るのは簡単な作業ではなく、どんなサイドバックも加入直後はピッチ内で迷子になり、表情を曇らせていた。

 それでもキャンプで得た成功体験が自信につながり、シーズン開幕後に生きていくのだろう。

「新しい戦術に触れて、プレーの幅が広がったと感じる部分があります。最初は悩みながら、考えながらプレーして、うまくスペースへ入れなかった。でも少しずつ自然とポジションを取ることができて、チームとしてスムーズにボールを回せる場面も増えてきました。相手を見て、味方を見て、スペースを見ながらプレーする。徐々に馴染んできた手応えがあります」

 チームは3年ぶりのリーグ奪還、そしてアジア制覇を目指している。サイドバックの力は必要不可欠で、いやがうえにも背番号2の存在はクローズアップされるだろう。

 トリコロールの新シーズンを占う男は永戸勝也。攻撃に新たな彩りを加え、勝利とタイトル獲得を実現していく。

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横浜F・マリノス vs セレッソ大阪(日産スタジアム)
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(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)

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