戸塚優斗、普通科高校で目指した文武両道 「足が震えた」平昌五輪後に恩師が見た覚悟
競技中の「彼の目が普段とは全く違う」
選手としても、人間としても大きく飛躍した3年間。スイッチが入った時に競技に没頭する力は、学校生活の中では見られない戸塚の一面だった。
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「競技している時の映像を見ていると、彼の目が普段とは全く違う。パイプにインしていく時の立ち姿も全然違いますし、彼のそこで闘っている意思が他のものとは違う」
最後に脇野さんは、戸塚の覚悟の一端を示すエピソードを明かした。
「怪我をして戻ってきてしばらく日本にいますという時に、『競技を引退したらどうするの?』という話をしていたんですけど、そうしたら『バックカントリーをやってみたい』と言ったんです。手つかずの雪山からスノーボードで降りていくようなヤツですよね。『あれ、危なくないの?』と聞いたら、『いや別に……雪の、スノボの中でそうなっちゃったらしょうがないです』みたいなことを言っていた。そこに命を落とせるくらいの気持ちでやっているんだな、本当に好きなんだなと思いました」
戸塚は北京で4年前とは異なる景色を見るために、成長した姿を披露する。
(水沼 一夫 / Kazuo Mizunuma)