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本気でNPBを目指す元早大アメフト部QB 挑戦1年目で「球速134km→150km」の急成長

野球とアメフト、2つの競技で得た経験を力に吉村はプロ野球を目指す【写真:中戸川知世】
野球とアメフト、2つの競技で得た経験を力に吉村はプロ野球を目指す【写真:中戸川知世】

9月に150キロ到達、来秋ドラフトへ「僕の武器は『誰もしていない経験』」

 あれから半年あまり、「本気」の挑戦は続き、到達した150キロ。しかし、球速はあくまで投手として手段の一つと理解している。

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 秋からはさらなるレベルアップを目指し、奪三振にこだわった。その手段として、カットボールに加え、チェンジアップを習得。「真っすぐも意図的に動かせるようになったので、アウトの取り方もバッターの癖と場面を見ながら使うようにしています。今はスピードではなく、定性的な目標である『質』にフォーカスしています」と進化に余念がない。

「アメフトは気が弱かったらタックルで潰される競技。相手を蹴散らす気持ちをそのままマウンドで出せるようになったこと。それが、一番変わりました」と言うように別競技で得た経験を糧に、土日は練習試合、平日はさまざまなチームに出稽古に行き、実戦経験を積んだ。

 今年チームは1次予選で敗退したものの、都市対抗出場を目標にトレーニングしながら、大学院生としての勉学も継続。「今年はスポーツ科学部の授業を取ったり、野球に関連する論文を読んだりとインプットに力を注いでいました。1年間でかなり引き出しは増えたように感じています」と充実ぶりを明かし、NPBとしてはこちらも異例の“大学院卒選手”へ突き進む。

 目標は来秋のドラフト指名、ただ一つ。

「今年1年も本気でNPBで活躍することを目指してやったからこそ見つけたものがたくさんありました。僕の武器は『誰もしていない経験』です。目標は変わりません。来年は僕の23年間の経験と学びを全て詰め込んだ1年にしていきます」

 勝負の2022年へ、誓いを立てた。

■吉村 優 / Yu Yoshimura

 1998年11月10日生まれ、東京・八王子市出身。私立国立学園小4年から「つくしシャークス」で野球を始める。早実中の2年生で投手として都大会準優勝。早実高では2年夏に甲子園4強、エースを務めた3年夏は西東京大会8強。早大はアメフト部に所属し、2、3年生で甲子園ボウルに出場。無類の本好き。アメフト部時代の挫折を支えたのはナポレオン・ヒル「思考は現実化する」。「毎週月曜は1時間、本屋にこもって気になった新刊をチェックします」。現在は早大大学院に通い、社会人クラブチーム「REVENGE99」に所属。178センチ、83キロ。右投右打。ツイッター「@yuyoshimura2」。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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