本気でNPBを目指す元早大アメフト部QB 挑戦1年目で「球速134km→150km」の急成長
早大アメフト部出身でプロ野球を目指している異色の23歳、吉村優投手(早大大学院1年)が目標に掲げる来秋ドラフト指名へ意気込みを明かした。早実(東京)野球部に在籍した高校以来、4年ぶりに野球復帰した1年目で球速は134キロから150キロに到達。早大大学院に通いながら挑戦を続ける右腕は「来年は僕の23年間の経験と学びを全て詰め込んだ1年にしていきます」と語った。(文=THE ANSWER編集部・神原 英彰)
早実野球部―早大アメフト部、2つの「甲子園」を経験した23歳・吉村優の挑戦
早大アメフト部出身でプロ野球を目指している異色の23歳、吉村優投手(早大大学院1年)が目標に掲げる来秋ドラフト指名へ意気込みを明かした。早実(東京)野球部に在籍した高校以来、4年ぶりに野球復帰した1年目で球速は134キロから150キロに到達。早大大学院に通いながら挑戦を続ける右腕は「来年は僕の23年間の経験と学びを全て詰め込んだ1年にしていきます」と語った。(文=THE ANSWER編集部・神原 英彰)
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2つの「甲子園」を経験をした異色の右腕が急成長を遂げている。アメフトから復帰1年目の吉村は9月、今年中の目標にしていた球速150キロに到達。「あくまでわかりやすい定量的な目標として立てていただけなので、やっとスタートラインに立てた感覚です」と振り返った。
その歩みはオンリーワンのものだった。小2で野球を始め、斎藤佑樹(元日本ハム)に憧れ、中学受験で入学した早実中を経て早実高進学。2年夏に甲子園出場した。背番号16は出場こそなかったものの、1年後輩の清宮幸太郎(現日本ハム)を擁して4強入り。3年夏は伝統のエースナンバー「1」を背負い、西東京大会8強となった。しかし、卒業後は早大野球部には進まず。
「自分はゴールを高校野球にしていた。燃え尽きたので、惰性で4年間使うのはもったいない。また本気で日本一を目指せるものに挑戦したい」
選んだのは早大アメフト部。白球を楕円球に持ち替えた。ゼロから始めた素人だったが、「本気」の猛練習。司令塔のクォーターバックとして3年生になり、定位置を奪取した。その年、大学日本一を決める甲子園ボウルに出場し、タッチダウンも記録。4年時には副将も経験した。そして、秋の引退翌日、多くの同級生が一流企業に就職する中、もう一度、野球に挑戦しようと決意した。
「本気ってこういうことなんだと学んだ4年間。この経験を持って野球に戻ったら、自分はもっと上のステージに行けるんじゃないかと思った」
高校時代は最速134キロだったが、練習を始めて1か月で140キロに到達。2月から社会人クラブチーム「REVENGE99」に在籍し、実戦経験も積んだ。一方で、基幹理工学部情報理工学科に在籍した理系右腕は卒業後、早大大学院に進学。「来年のドラフト会議でNPBの選手になることが目標です。破天荒に思われるかもしれませんが、僕は本気でプロ野球選手を目指しています」と語っていた。
この春、その挑戦を記事にさせてもらったが、吉村を知る人が増え、練習先などで話題してもらうことがあったという。