世界1位マレーに挑む錦織に勝機は? カギ握る「あの試合のイメージ」
「マレー好み」の会場、果たして錦織は強敵を打ち破れるか
キャリア初の世界1位に躍り出た29歳にとって今大会はホームであり、インドアハードと呼ばれる打球の速いコートについても「やりやすい」と相性の良さを認めている。マレーが手にすることになった地の利について、綿貫も「マレーがインドアハードでやりやすさを感じていることは理解できます」と話す。
「特徴としてサーブの回転はスライス系が多い。相手のボディを狙い、バックサイドはセンターが得意で、フォアサイドはワイドがすごく得意です。ゲームの組み立てやすさを感じているのでしょう。基本的にディフェンシブなプレースタイルですけど、このコートだと、そこまで下がらないでディフェンスできるメリットもある。
打球がより弾むコートになると、後ろに下がってディフェンスしなければなりません。O2アレーナのような、打球の速いコートでテンポのいいディフェンスをするのがマレーの好みだと思います。マレーはディフェンスしながら相手を押し込める力もある。対戦相手もなかなかショットを決めることができません。フィジカル面も強くて常に余力があります。どんな局面でもカウンターを狙っている。脅威ですよ」
綿貫はそう解説する。
世界トップの実力を誇り、ホームの優位性も得ている強敵に対して、錦織はどんな戦いを見せてくれるのか。錦織がマレーに初勝利を挙げたのが2年前のツアーファイナルだった。16日の対決で殊勲の白星を挙げ、2連勝を飾ることはできるか――。
◆綿貫敬介(わたぬき・けいすけ) 明治安田生命所属 世界ATPランキング1135位、ダブルス1024位(2016年6月時点)。埼玉県春日部市のグローバル・プロ・テニス・アカデミーの常任コーチを務めながら、世界ジュニアランキング2位の弟・陽介のツアーコーチも兼務。ジュニア時代には世界ランク5位のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)ら実力者と対戦した経歴を持つ。
◆グローバル・プロ・テニスアカデミー 綿貫3兄弟を育て上げた父・弘次氏が校長を務める、世界を目指すタレントを育成するジュニア育成のアカデミーと一般のスクールを併設。レッスンは午前9時から午後9時まで。住所・埼玉県春日部市下蛭田2-1。電話番号048-755-5370。公式サイトは、http://www.global-sports-planning.com/
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer