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「お互いの“苦手”を埋め合う」 東京パラ銀メダリストが考える“多様性”実現のカギ

「やっぱり、思いやりかなって思います」

鈴木亜弥子さんが「ダイバーシティ」の実現について思いを語る【写真:松橋晶子】
鈴木亜弥子さんが「ダイバーシティ」の実現について思いを語る【写真:松橋晶子】

大学までは健常者とプレー、インターハイ出場経験を持つ鈴木亜弥子さん

「やっぱり、思いやりかなって思います」

【特集】競技復帰を決意させた東京パラリンピック 未来へ繋ぐ感謝のバトン / パラバドミントン 鈴木亜弥子さんインタビュー(GROWINGへ)

 ダイバーシティ(多様性)やインクルージョン(一体性)という言葉が当たり前である日常を実現するために、私たち一人一人ができることは何か。そう問われると、パラバドミントンで現役を引退したばかりの鈴木亜弥子さんはフンワリと柔らかな笑顔を浮かべながら言った。

「人間って健常者・障がい者の関係なく、皆さんそれぞれ得意なことや不得意なことがあると思います。私の場合ですと、右腕が肩より高く上がらないので高いところにある荷物を取るのが難しいけれど、取れる方が助けてくれる。サポートしてもらった時は『ありがとうございます』という感謝の気持ちを持っています。

 逆に、車いすの方も高いところは届きにくいので、私が片手で取れる範囲のものであれば取ってあげると『ありがとうございます』と感謝されたり。私は他にもステーキを切るのが苦手なので、合宿では車いすの選手が手伝ってくれました。お互いの苦手なところを埋め合う。相手の立場になって『こうかな?』と考えてみることは、思いやり、ですよね」

 先の東京パラリンピックでバドミントンに出場し、女子シングルスSU5(上肢障がい)では銀メダル、女子ダブルスSL(下肢障がい)/SUで銅メダルを獲得。今大会から正式種目となったバドミントンで、9個のメダルを獲得した日本を牽引した。

 生まれつき右腕が高く上がらない障がいを持つ鈴木さんは、両親や姉の影響を受けて小学3年生でバドミントンを始めた。健常者と一緒にプレーする中でメキメキと頭角を現し、高校時代はインターハイに出場。だが、大学生になると「全国大会で健常者の方に勝てなくなってきました」。そんな時、父に教えられたのがパラバドミントンの存在だった。

 パラバドミントンでは障がいの違いによって6つのクラスに分類される。車いす使用では両下肢と体幹機能に障がいがあるWH1と、片方または両方の下肢に障がいがあるWH2、立位では下肢障がいがあるSL3、下肢障がいでSL3より軽度のSL4、上肢障がいがあるSU5、そして低身長のSH6だ。

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