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長時間労働を強いられる教員の負担軽減へ 部活改革、新しく増える仕事は誰が担うのか

「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回は「日本の運動部改革の課題」について。

今回のテーマは「日本の運動部改革の課題」について
今回のテーマは「日本の運動部改革の課題」について

連載「Sports From USA」―今回は「日本の運動部改革の課題」

「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回は「日本の運動部改革の課題」について。

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 前回の連載でも述べたように、日本の運動部活動はいくつかの改革が行われようとしている。

 外部指導者、部活動指導者を学校に迎えること、運動部の指導を民間に委託すること、地域への移行や連携などである。これらは、長時間に及ぶ時間外労働を強いられている教員の負担を減らすことを目的としている。指導そのものを教員以外の人に託せば、教員の負担を減らすことにつながるだろう。

 しかし、教員の負担を減らすための「移行作業」や「マネジメント」を誰かが新しく担う必要が出てくる。どの部活動に外部からの指導者を招くのか、その採用の手続きはどのように行うのか。指導を希望する学校教員にはどの部活動を任せるのか。学校と地域とはどのように連携するのか。これらを取り決めて、実際に手続きすることは、新しく増える仕事と言えるのではないだろうか。

 こういった仕事のうち一回限りで済むものは少ないように思える。外部からの指導者と指導を希望する教員の配置は年度ごとに調整しなければいけないだろうし、学校と地域の守備範囲も毎年、確認しあうことが必要になる。問題発生時には誰かが窓口になって、解決を図らなければいけない。このような仕事は、校長や地域スポーツの代表者が便宜的に担うことになるのだろうか。

 米国にも学校運動部があり、指導を希望する教員と外部からの指導者が指導に当たっている。そして、各学校には、全ての運動部活動をマネジメントするアスレチックディレクターという人たちがいる。この役職は、校長の下の管理職という位置づけで、私が取材した学校では副校長や体育科主任と兼任しているところがあった。

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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