生かされていたコロナ禍の遠隔指導 福島の子どもに伝えた現役プロテニス選手の言葉
遠隔指導の成果実感、綿貫「いいシステムだなと感じます」
プロテニスプレーヤーとしての活動と並行して、実弟の陽介の海外遠征にツアーコーチとしても同行している綿貫。スペインやアメリカからも画面を通じて、いわき市の子供たちと絆を深めてきたが、遠隔指導というプロセスは実際のコート上での指導の効果を格段に高めているという。
「子供たちにはスマートコーチを通じて、言葉ではずっと伝えてきています。その上で、実際に会った時により具体的に指導したことが浸透しているんだな、と感じます。経過をずっとみているので、生徒としてもアドバイスの復習や回収もしっかりできている。いいシステムだなと感じます」
綿貫はこう語った。今回の指導している生徒が4期生だが、卒業生の2人がインターハイに出場。綿貫との指導をきっかけに、全国レベルのタレントが輩出されている。イベント後、夢応援プログラムの卒業生にも指導する機会があったが、そこでも強調したのは基礎の重要性だった。
「しっかりとした基礎は成長につながります。そこを突き詰めると、全国、そして、世界につながっていきます。世界のトッププレイヤーでもダニール・メドベージェフ選手のように独特な打ち方をする選手はいますが、基本的にカラダの構造には逆らえない。
テイクバックやフォロースルーが変わっている人はいますが、打点、フットワークという基本はどの選手もしっかりと押さえています。卒業生に久々に教えましたが、伸びている。小学校から見ている子供もいる。遠く離れているのですが、絆を感じます。不思議とつながり続けている感覚があるんです」
綿貫は愛弟子の成長に嬉しそうに目を細めていた。
子どもたちと集合写真を撮った綿貫【写真:中戸川知世】
(THE ANSWER編集部)