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部活で始まるメンタルヘルスへの取り組み 「弱音を吐かない」美徳は米国でも変化

日本でも米国でも美徳とされてきた「弱音を吐かずに乗り越える」に変化

 気になる生徒は、学校のメンタルヘルスの専門家につなぎ、フォローアップを受けられるようにしている。新型コロナウイルスの影響で活動が中止になっていた期間は、これまでよりも頻繁にアプリを通じて、生徒たちの心身の健康状態をやりとりしていたという。

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 全米アスレチックトレーナーズ協会(NATA)でも、アスレチックトレーナー向けに、アスリートのメンタルヘルスに関するガイドラインが提示されている。アンケートの質問事項、回答の集計、フォローアップのノウハウを中心に、学校のアスレチックトレーナーの立場から、運動部の生徒のメンタルヘルスにいかに取り組むかを示している。

 これまで、アスリートは心身の不調を抱えていても、弱音を吐かずに乗り越えることが美徳とされてきた。それは日本でも、米国でも同じだろう。しかし、不調や問題を抱えているときには、助けを求めてよい、助けを求めるべきなのだ、というメッセージが発信され始めている。

 こういったメンタルを守る取り組みが非常に重要だと考える一方で、子どもたちの生きている環境、スポーツ環境やカルチャーが、彼らの精神に大きな負担を与えているのだとしたら、環境やカルチャーを変えていくことも必要なのではないか、とも思う。

(谷口 輝世子 / Kiyoko Taniguchi)

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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