アイスホッケー平野裕志朗が北米に再挑戦 目指すNHL「必ず行くと自分に言い聞かせる」
夢はGK以外では日本人初のNHL挑戦「朗報を届けられる選手に」
その中で、自身は2つの収穫を得た。1つは、競技を楽しむという初心への回帰だ。「みんな、仕事で疲れていても、ホッケーになれば楽しんでいる。スクール活動で子どもと接するときも似たものを感じた。みんなが、がむしゃらに競技に打ち込んでいる姿を見れたのは、一番影響を受けた部分」と振り返った。
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もう1つは、得意とするウイングのプレーだけでなく、幅広くチームに貢献した経験だ。センターで相手を引き付けて味方を使うプレーや、パックを敵陣の深い位置に運んで相手にプレッシャーをかける守備を多くこなした。「今までとは求められるプレースタイルが極端に違う中で、対応できる力が身についた」と異なるスタイルへの適応力に改善の手ごたえを得た。
もちろん、それらの経験が生きていると証明するのは、氷の上になる。横浜GRITSの浅沼芳征監督は「彼に教わったマインド、ホッケーをチームは継承しないといけないし、彼も日本のホッケー界を背負って頑張ってほしい」と感謝を示しつつ、エールを送った。
夢は、GK福藤豊以来2人目、GK以外のスケーターとしては日本人初となるNHL挑戦。ECHLからAHL、さらに上を目指す。平野は「皆さんに米国での試合を見てもらうのは難しいので、結果として、数字を残したい。何か一つでも大きなニュースがSNSに上がれば見てもらえる。朗報を届けられる選手になりたい」と意気込んだ。26歳と充実した時期にコロナ禍で1シーズンを国内でプレーすることは本意ではなかったはずだが、一時帰国による横浜GRITSでの経験をプラスに変えられるか。北米での挑戦が再開する。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)