東京五輪コロナ対策は「機能していた」 東京の街と枕に感動したドイツ記者の17日間
「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる多様な“見方”を随時発信。開催を巡る是非が問われる中、来日した「海外記者のミカタ」も紹介する。第8回はドイツの日刊紙「ディ・ヴェルト」のメラニー・ハーク記者。2012年のロンドン五輪以降、14年ソチ、16年リオ、18年平昌と夏季、冬季全ての五輪を取材している。経験豊富な記者が17日間の取材を通して感じた東京五輪の開催意義とは。(取材・構成=THE ANSWER編集部)
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#97
「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる多様な“見方”を随時発信。開催を巡る是非が問われる中、来日した「海外記者のミカタ」も紹介する。第8回はドイツの日刊紙「ディ・ヴェルト」のメラニー・ハーク記者。2012年のロンドン五輪以降、14年ソチ、16年リオ、18年平昌と夏季、冬季全ての五輪を取材している。経験豊富な記者が17日間の取材を通して感じた東京五輪の開催意義とは。(取材・構成=THE ANSWER編集部)
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コロナ禍で行われた、過去に例のない五輪でした。開幕前は反対の声も多かったと聞いていますが、開催の意義は2つあったと感じています。一つはアスリートのため。多くのアスリートは五輪出場という夢のため人生をかけて練習してきたのです。そしてもう一つは五輪の持つ力。この力、五輪の価値というのは、無観客であってもあると思います。
それはフェアプレー、リスペクト、スポーツの精神、最高峰での戦い、そして自らの限界への挑戦、友情、平和共存です。困難な大会ではありますが、これらは全て東京から世界へと輝きを放っています。この大会には、アスリート一人一人の人生を変える力、そしてそれ以上に世界中の人々、特に子どもと若者に大きな刺激となる力がありました。
一般には感染が拡大しているようですが、実際に感染対策を経験した立場として感じることがあります。(五輪関係者に)陽性者が少なく抑えられたことを見れば、選手、チーム、そしてメディアに関して言えば、コロナ対策は機能したと思います。100%安全とはいかないことは当然です。検査の回数が多いのは良いことですし、正しい対策だと思います。検査もそれほど大変ではありませんし。
ドイツには国民が無料で受けられるテストセンター(検査所)が数多くあるのですが、ここではそうした施設の話を今のところ聞いていません。これは少し驚きました。
また、ドイツでは屋外で周りに人がいない時にマスクを着けている人はいません。ウイルス学者は、屋外での感染リスクはかなり低いと言っています。ですが、開催国で決められていることは、もちろん私たちもきちんと守っています。