終わったらから明かせる舞台裏「アスリートは自分の言葉で経験伝えて」

　純粋なスポーツの祭典として始まったオリンピックは、いつの間にか巨額のお金が動く一大ビジネスに姿を変えました。ビジネス的側面が色濃くなりすぎましたが、ビジネスとして成り立つようになったから、いろいろな競技のアスリートが強化費という恩恵を受けられるようになった事実もある。一筋縄ではいかない難しさがあります。

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　無観客ながらも、なんとか開催されたオリンピック。アスリートは当然、観客の前でパフォーマンスしたかったのが本音でしょう。開催されるか分からない状況の中で練習を続けるのはきつく、大変なことだっただろうと思います。ただ、こういうしんどい過酷な条件で練習することは、おそらく今までも、そしてこれからもないでしょう。そう仮定すると、このタフな経験は自分が成長する機会になったと思える、そんな日が来るのではないかと思います。

　最終的に結果が出なかったとしても、オリンピックに向けて頑張ってきた過程が本当にすごいこと。アスリートの皆さんには胸を張ってもらいたいですし、この過程でどんな準備をし、どんなことを考え、感じてきたのか、次世代を担う子どもたちに伝えてほしいと思います。アスリートは誰しも、コロナ禍で世界が大変な状況にある中で自分たちはスポーツを続けていいのか、少なからず葛藤した経験を持っていると思います。そういった不安な気持ちとどう向き合ったのか、どうやってモチベーションを高めたのか。

　オリンピックが終わったからこそ明かせる舞台裏もあるでしょう。僕はこんな不安定な世の中だからこそ、何かに集中して頑張り続けた姿は本当に格好いい。子どもたちはもちろん、難しい社会状況の中で頑張り続けている人々に対する力強いメッセージや勇気になると思います。

　過去に例のない形で開催されたオリンピックの経験を、アスリートたちが自分の言葉で伝える。これは次世代に受け継ぐレガシーとなるでしょう。