松田直樹、奇妙で成熟した関係を築いたトルシエの追悼「直樹さん、君は他の誰とも違った」
感動的だった日韓W杯「このプロセスを共に歩めたことは誇り」
私の目標は選手が才能を開花させた未来図を示すこと。我々の代表チームには偉大なことを成し遂げるポテンシャルがあった。
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しかし、チームには様々な理由でこのエネルギーを引き出す鍵が存在しなかった。政治、社会、そして、文化。この境界を破壊したかった。時には青信号ではなくても歩みを進めてもいいのだ、と。誰もが右に進んでも、確信を持って左を選んでいいのだ、と。
W杯で戦いたければ、日本社会に存在する境界線を破壊しなければいけなかった。それこそが、私たちが2002年に達成したことだ。我々の躍進に対する人々の喜ぶ様ときたら。大阪の川に飛び込む人たちもいたくらいなのだから。あまりに感動的だったよ。
このプロセスを君と共に歩めたことは本当に誇りに思っている。
そして、直樹さん。君と一緒に仕事ができたことも大きな誇りだ。我々が共に成し遂げたことはあまりに大きかった。君のような人間が、強烈な個性と人格を持った選手がいなければ、W杯で成功できなかっただけでなく、日本サッカー界の未来の世代への変化をもたらすこともできなかった。
君には感謝しかない。
そして、我々すべてが、感謝すべき男なのだ。
シドニー五輪、日韓W杯日本代表監督
フィリップ・トルシエ
(マイケル・チャーチ / Michael Church)