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なぜ野球アカデミーに「自習時間」が必要なのか 机に向かう40分が持つ意味

文武両立を実践する野球アカデミーがある。それが「ブリングアップ(BU)ベースボールアカデミー」埼玉戸田校だ。野球のスキルアップはもちろん、子どもたちのコミュニケーション能力をアップさせ、自ら考え行動できるよう導くことを目指すBUベースボールアカデミーでは、2時間あるレッスンのうち40分を「自習」にあてている。スキルアップとは無縁に思えるかもしれないが、実は机に向かって鉛筆を握る40分が、子どもたちの成長の大きなカギを握っているという。

自習室でスタッフのサポートを受けながら、思い思いの課題に取り組む子どもたち【写真:編集部】
自習室でスタッフのサポートを受けながら、思い思いの課題に取り組む子どもたち【写真:編集部】

5月に開校した埼玉戸田校で挑む新たな取り組み

 文武両立を実践する野球アカデミーがある。それが「ブリングアップ(BU)ベースボールアカデミー」埼玉戸田校だ。野球のスキルアップはもちろん、子どもたちのコミュニケーション能力をアップさせ、自ら考え行動できるよう導くことを目指すBUベースボールアカデミーでは、2時間あるレッスンのうち40分を「自習」にあてている。スキルアップとは無縁に思えるかもしれないが、実は机に向かって鉛筆を握る40分が、子どもたちの成長の大きなカギを握っているという。

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 5月に開校した埼玉戸田校では、阪神やトヨタ自動車で活躍した元内野手の的場寛一さん、そして昨年を限りにロッテ一筋17年のプロ生活を終えた元投手の内竜也さんがコーチを務める。ベースボールアカデミーを統括する元阪神の投手・山崎一玄さんや専属トレーナーらも加わり、毎週月・火曜日に小中学生を対象とした4クラスを開講。投球、守備、打撃のスキルを子どもたちに分かりやすく伝えると同時に、スポーツの基礎となる体の使い方・動かし方なども教えている。

 一般のアカデミーであればスキル指導のみで完結するが、ここに自習が加わるのがBU流だ。アカデミーにやってきた子どもたちは、まず自習室に直行。塾での指導経験を持つスタッフがアドバイスを送る中、最初に取り組むのは「レッスンレポート」を記入する作業だ。前回のレッスンで学んだこと、上手にできなかったこと、改善したいことなどを振り返り、その日のレッスンで最も強く意識したいこと、コーチへの質問や相談などを書き込む。

 目指すのは「継続性」と「意識化」。学校生活に習い事、さらには友達と遊んだり、子どもたちは大忙しの日々を送る。となると、前回のレッスンで教わったことや意識したことが記憶の彼方に押しやられてしまうことも少なくない。そこで改めて思い出す時間を設けて文字に書き起こすことで、前回のレッスンで見つかった課題を意識しながら、その日のレッスンに取り組むことができる。各レッスンで得た学びに継続性が生まれ、知識もスキルも効率いい積み重ねができるというわけだ。

 どんなスポーツでも、いくら長い時間をかけて練習をしても、練習の意図が汲み取れていなければ、そこに成長はない。自分の課題や練習の意図などを意識することができれば、短時間でも効率いい練習を実践し、大きな成長を得ることができる。ほんの10分の振り返りで、子どもたちは高い意識を持つことが可能に。そして、この振り返り作業が習慣化されれば、普段から高い意識を持って物事に取り組むことができるようになる。

 レッスンレポートの最後には、週末に所属チームで試合があった場合、打撃・投球成績と、自分の良かったと思う点、もう少し頑張りたいところ、次の試合にはどんな結果を残したいかを記入する欄がある。レッスンが始まる前、的場コーチと内コーチはレッスンレポートに目を通しながら、和気あいあいと子どもたちと会話。「お、ヒットが打てたのか?」「そうか、二塁送球がうまくなりたいのか」など言葉を交わしながら、子どもたちの現状を理解し、共感やコミュニケーションを広げるツールとして活用している。

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