東京五輪で誰が輝くのか 張本、美宇、美誠…「黄金世代」それぞれの現在地
先週2020年東京五輪で卓球会場になる東京体育館で全日本選手権が行われた。決勝には約7000人の観客が集まる盛況ぶりで、その人気が高まっていることが実感できたほどだ。
全日本選手権で躍動、10代の逸材たちが示した“可能性”
今秋にプロリーグ(Tプレミアリーグ=以下Tリーグ)がスタートする卓球が今、巷で静かなブームになっている。若者が集まる“一等地”の渋谷に日本初の卓球をテーマにした複合施設ができたり、卓球スクールが併設されている卓球場が各地にできたり、名のある会社が日本トップ選手らと契約して卓球部を作ったりと、地味で不人気と言われ続けてきた日本卓球界が盛り上がり、若い選手が台頭して国際大会で活躍するようになって注目されてきた。
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そんな中、先週2020年東京五輪で卓球会場になる東京体育館で全日本選手権が行われた。決勝には約7000人の観客が集まる盛況ぶりで、その人気が高まっていることが実感できたほどだ。
今年の全日本選手権を振り返ると、昨年躍進を遂げた10代の「黄金世代」が活躍して世代交代の波が本格的にやってきたことではないだろうか。特に女子は、10代半ばの選手たちが大活躍を見せ、シングルス、ダブルス、混合ダブルスを制した。その中心にいたのが、史上最年少で3冠に輝いた17歳の高校2年生・伊藤美誠だった。
シングルス準決勝で2年ぶりの返り咲きを狙った日本女子エースの石川佳純を4-1で下すと、決勝でもその勢いを加速させて、同い年のライバルで連覇を目指した平野美宇も撃破。「みうみま」対決を4-1で制して圧倒した伊藤は女子シングルスで初優勝を決めるとともに、これまた同い年の早田ひなと組んだ女子ダブルスと22歳の森薗政崇とのペアだった混合ダブルスも制覇して3冠を達成した。女子の3冠は1960年の山泉和子、2015年の石川佳純に続いて3人目となった。
男子シングルスでも若い力が躍動した。スーパー中学生で14歳の張本智和が史上初の10度目の優勝を目指した水谷隼を4-2で下し、男女を通じて初の中学生王者に輝いた。優勝インタビューでは堂々とした様子で大人顔負けのコメントが並んだ。