インフィールドフライって何? 宣告の条件や規則の目的を解説
インフィールドフライとは? この記事では、インフィールドフライの定義や宣告されるとどうなるのか、ファウルになった場合や宣告後の進塁が認めらるのかなどについて解説します。
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目次
- インフィールドフライとは
- インフィールドフライが宣告されるとどうなる?
- インフィールドフライ宣告後、打球がファウルになったら?
- 宣告されても、走者は進塁していい?
- ライナー、バントでもインフィールドフライは宣告される?
インフィールドフライとは
野球の「インフィールドフライ」とは、公認野球規則「本規則における用語の定義40」で以下のように定義されています。
「0アウトまたは1アウトで、走者が一・二塁、一・二・三塁にあるとき、打者が打った飛球(ライナーおよびバントを企てて飛球となったものを除く)で、内野手が普通の守備行為をすれば、捕球できるものをいう」
つまり、以下の3つの条件に当てはまった場合にインフィールドフライが宣告されることがあります。
- 無死または1死
- 走者一・二塁または満塁
- 打者が内野フライを打ち上げた時
ただし、同規則には続けて「この場合、投手、捕手および外野手が、内野で前記の飛球に対して守備したときは、内野手と同様に扱う」とも記されています。
規則の適用には「内野手が普通の守備行為をすれば捕球できるかどうか」を基準とするべきであるため、飛球が外野手などによって処理されても、それは内野手によって容易に捕球されるはずだったと審判員が判断すれば、インフィールドフライとされるべきだとも記載されています。
インフィールドフライが宣告されるとどうなる?
インフィールドフライが宣告されると、打者はアウトとなります(公認野球規則 5.09(a)12より引用)。
これは攻撃側が不当な不利益を受けることをなくす意味があります。「宣告された時点で打者がアウトとなるのになぜ?」と思われるかもしれませんが、この規則がなければ以下のようなプレーが生じる可能性があります。
例えば無死一、二塁から内野フライが打ち上がると、走者は捕球された際に帰塁する必要があるため、安易には離塁できません。これを利用し、守備側がわざと打球をグラウンドに落としてゴロとして処理すれば、三塁、二塁と続けて送球することで併殺を奪うことが可能になります。
つまり、フライを意図的に捕球しないことで、通常に捕球した時よりも多くのアウトを取ることができてしまうのです。こうした攻撃側の不当な不利益をなくすため、フライが捕球されなかった時にも“走者に進塁の義務を発生させない”ことを目的としたインフィールドフライが制定されました。
インフィールドフライ宣告後、打球がファウルになったら?
公認野球規則の定義には「審判員は、打球が明らかにインフィールドフライになると判断した場合には、走者が次の行動を容易にとれるように、ただちに“インフィールドフライ”を宣告しなければならない。また、打球がベースラインの近くに上がった場合には、“インフィールドフライ・イフ・フェア”を宣告する」と記されています。
インフィールドフライは、審判が宣告して初めて効力を発するものです。インフィールドフライはアピールプレーであると考えられるような要素がないため、審判員の判断が最優先され、その決定はただちに下されなければならない旨も説明されています。
もし審判員が宣告をしても、打球がファウルボールとなれば、インフィールドフライとはなりません。宣告後の打球が最初にフェアゾーンに落ちても、最終的にファウルボールとなればインフィールドフライにはなりません。逆に、最初にベースラインの外に落ちた打球が、最終的にフェアボールとなればインフィールドフライとなります。
宣告されても、走者は進塁していい?
公認野球規則の定義には「インフィールドフライが宣告されてもボールインプレイであるから、走者は離塁しても進塁してもよいが、その飛球が捕らえられば、リタッチの義務が生じ、これを果たさなかった場合には、普通のフライと同様、アウトにされるおそれがある」と記載されています。
つまり、インフィールドフライが宣告されても、走者は進塁して良いことになります。ただし通常のフライと同様、捕球されれば一度帰塁する必要があるため、打者と併殺になるリスクもあります。また、帰塁していればタッチアップによる進塁を試みることも可能です。
ここで故意落球(飛球やライナーを、内野手が地面に触れる前にグラブや手で触れ、故意に落とす行為)があれば、本来は打者がアウトとなり、ボールデットで走者の進塁は認められませんが、インフィールドフライが宣告された場合は、インフィールドフライが故意落球の規則に優先します。
したがって、インフィールドフライが宣告された時に故意落球をしても、走者の進塁は認められることになります。
ライナー、バントでもインフィールドフライは宣告される?
ライナー性の打球や、バントが飛球となった場合には、たとえ宣告の条件に当てはまったとしてもインフィールドフライは適用されません。
これは公認野球規則「本規則における用語の定義40」の中にも明記されています。
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(THE ANSWER編集部)