【月間表彰】823分無失点の立役者 元日本代表が見た名古屋GKランゲラックの存在感
元日本代表GK楢﨑正剛氏が、Jリーグを全試合配信している「DAZN」のパートナーメディアで構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」の企画で、2、3月に行われたJ1リーグから「月間ベストセーブ」として名古屋グランパスの異なる試合からGKランゲラックが見せた2シーンを選んだ。
2・3月は名古屋の守護神・ランゲラックの2つの異なるセーブを選出
元日本代表GK楢﨑正剛氏が、Jリーグを全試合配信している「DAZN」のパートナーメディアで構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」の企画で、2、3月に行われたJ1リーグから「月間ベストセーブ」として名古屋グランパスの異なる試合からGKランゲラックが見せた2シーンを選んだ。
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「優劣をつけるのではなく比較することで名古屋の守備が堅い理由、失点が少ない理由がよく分かります」と楢﨑氏は頷く。好調・名古屋を下支えするGKランゲラックの基本技術の高さをGKならでは目線で説いた。
1つ目のシーンは、第5節名古屋対横浜FC(3-0)の前半44分。横浜FCはハーフウェーライン手前でパスをもらったMF瀬古樹が巧みなボールタッチでプレスをかわし、そのままドリブルでスピードアップしながら名古屋陣内へ。そして瀬古からの縦パスをバイタルエリアでボールを受けたFWクレーベが前を向くターンから間髪入れずミドルシュートを放つ。これに対してランゲラックは手元でショートバウンドする難しいボールをしっかりとキャッチして横浜FCの攻撃を終わらせた。
「横浜FCが中盤でスピードアップしてきて、名古屋の守備陣としては下がりながら守らなければいけませんでした。この時点でGKとしてはシュートまで来る確率が高いという想像ができます。さらにシューターである(横浜FCの)クレーベ選手は外国籍選手なので、あの位置は十分にシュートレンジのはず。ランゲラック選手にしてみれば、シュートが飛んでくる覚悟はできていたと想像できます」
さまざまな経験則に基づいてシュートを予測していたことはもちろんだが、シュートを弾くのではなくキャッチしたことで横浜FCに二次攻撃のチャンスを与えなかった。クレーベのシュートに合わせてFWジャーメイン良が詰めており、もしボールをファンブルしていたら失点するリスクもあった。
「この類のシュートをキャッチしきれず、こぼれ球にもう一度アクションするGKもいますが、ランゲラック選手は綺麗にキャッチしました。シュートの回転やスピード感、タイミング、それから気象条件を含めたピッチコンディションなどをトータルで考え、咄嗟の判断でキャッチするのか弾くのかを決めないといけません。体が勝手に判断する部分も大きくて、それは経験値やトレーニングによって作り上げていくしかない。ランゲラック選手はそのレベルがとても高くて、このシーンは頭の中で考えていることと体が動くことがしっかりと一致していた結果の隠れたファインプレーだったと思います」