「スキーも仕事も同じ」― 皆川賢太郎が排除する不純物とは
サッカー界のレジェンドにも敬意、「カズさんがW杯出場を口にするのは…」
「カズさんがW杯出場を口にするのは、おそらく自分に“不純物”を混じらせたくないからだと思うんです。その気持ちは凄くわかります」
彼はそう言って、敬意を表した。
2014年にアルペンスキーヤーを引退し、現在はプロスキーヤーである一方で全日本スキー連盟理事、会社経営者など幅広く活躍している。
本質の純度を上げていくという姿勢は仕事でも活かされているという。
「僕の場合、たとえば何かの目的に対して、これは芯からまったく外れていることなのか、それとも今は外れているかもしれないけど後々になって外から合わさってミックスできるものなのか、本質に照らし合わせて考えるようにしています。
スキーも仕事も同じで、本質を分かっていれば、何を学んで、何をカタチにすればいいのかも見えてきます。これからはよりその“質”が求められる時代だと思います」
己がやるべき本質とは何か。
皆川賢太郎はこれからも物事の本質と向き合い続けていく。
【了】
二宮寿朗●文 text by Toshio Ninomiya
近藤俊哉●写真 Photo by Toshiya Kondo