【THIS IS MY CLUB】札幌・野々村社長が説く “Withコロナ”時代のサッカーとの「新しい向き合い方」
「本当のサッカーの面白さ」とは…サッカーの見方が変わるシーズンに
――2年前はクラブ最高位の4位、昨季はルヴァン杯で準優勝。期待も高まる中での、今季の展望を教えてください。
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
「見通しは……、わからないというのが正直なところです。これだけの連戦で、準備期間もまちまちで、どんなゲームができるのか想像ができない。どれだけキャリアのある監督でも経験したことのない状況です。どんな順位で終わるかももちろん大事ですが、クラブとしては今シーズンを来季以降にどう繋いでいけるのか。それが最も重要だと考えています。(日程が過密になる)今季は特に多くの選手がゲームに関わっていくことになるでしょう。その中で近い将来のコンサドーレの中心になっていく選手が出て来てくれることが楽しみの1つです。一方で、この数シーズン、ベテランがいい仕事をしてくれています。サッカーに飢えていた選手たちが何を見せてくれるのか。すごく楽しみです。
選手への期待ももちろんしてもらいたいのですが、それ以外にも違った楽しみ方があるのではないでしょうか。クラブの代表としては、コンサドーレというクラブが、いかにこの状況を乗り越えていくのかを見届けてほしい。今年、想像していないような事が起きた。少しずつ積み上げてきたものが、崩れ落ちるかもしれない。さぁ改めて“上のクラブ”に追いつくためにどうしようか。今季はまた大きなチャレンジのシーズンです。勝ち負けだけじゃない、そういうところを楽しみにしてもらえればと思います」
――クラブとしての底力が問われるシーズンになるということでしょうか。
「100年に1回あるかどうかのことが起きた。通常とは違うシーズンになるでしょう。何が違ってくるのかは、今ははっきりとはわかりません。ですが、サッカーを取り巻く状況が変わったことは間違いありません。こういう状況だからこそ、新たなサッカーとの向き合い方が出てくるかもしれない。順位や勝ち負けは大事なのですが、そこにばかり目がいくというのは、実は『本当のサッカーの面白さ』を見失っている可能性もあるのではないか。もしかしたら勝ち負け以外の方向からクラブと関わってみると、新しい楽しみ方が見つかるのではないでしょうか」
――サッカーの魅力、面白さとは何なのでしょうか?
「それを見つけたい。私はずっと小さい頃からサッカーと関わってきましたが、すぐに言葉が出てきません。でも、今だからこそ、見つけられるものがあると思っています」
(THE ANSWER編集部)