【#今こそひとつに】名将・佐々木則夫が訴え コロナとの戦いに必要な「3つの心」
大切なのは「一丸となる心」と訴え「これは『誰かがやればいい』という問題ではない」
2つ目は「感謝する心」。
選手にはスランプ、怪我に直面することがある。なでしこジャパンを率いていた時、「もうサッカーを辞めてしまいたい」と言われたこともあった。しかし、ある選手の言葉が印象的だったという。
「これまで一人だけでやってこられたわけではなく、様々な方に支えられて選手としてやってこられた。そういう方への感謝の気持ちが自分のサッカー人生の支えになっていました」
佐々木氏は「本当にそうだと思う。私自身もこれまでサッカーに携れたのは私一人でできたことではない。様々な方にサポートしていただいた」と言い、この「感謝する心」を今の社会に置き換える。
「医療従事者、社会生活を支えていただく様々な方が、危険を冒しながらの尽力により、私たちの生活が成り立っている。こういう感謝の心をもって、しっかりと見つめ直せば、一人一人がコロナに対する対策で何をすべきかはっきりする」
3つ目は「一丸となる心」。
世界一を目指す中で壁にぶつかることがあった。しかし、そんな時はいつも一つの原点に立ち返ることで乗り越えた。「世界を制するという目標があり、そのために一丸となり、目標に向けて鍛錬してきた。その結果の優勝だった」と振り返る。
緊急事態宣言が解除されても、医療従事者だけ、社会インフラを支える人だけ、国・行政だけと、それぞれ努力をするのではなく、「一つ一つが一丸となり、国民とともにやっていかなければいけない」と佐々木氏は言う。
「一丸となるパワーはなでしこジャパンで経験した。確かに二十数人の結束だったかもしれないけど、その裏では多くの方々がサポートした結束もあった。これは『誰かがやればいい』という問題ではない。一人一人が一丸とならなければ、未来に辿り着くことはできない。ぜひ、日本が一丸となって、このコロナウイルスと戦う意識をしっかりと見つめ直し、頑張っていきましょう」
その上で、こう結んだ。
「それが未来につながる。新たな世界が広がる。そして、この経験がさらに未来に生きます」
■特別連載「#今こそひとつに」展開中
新型コロナウイルスの感染拡大で社会状況が厳しい中、誰もが「命を支える人」「生活を支える人」「社会を支える人」に感謝の気持ちを抱いた瞬間があると思います。医療従事者や社会インフラの維持に尽力する人たちにその思いを届けたい、人と人との“距離”が遠い今だからこそ、みんなの心をひとつにしたい――。頑張る人たちにエールと感謝の気持ちを届けるため、様々な「声」を発信しています。また「THE ANSWER」を運営する「Creative2」が5月18日に開設した新サイト「HEARTS AS ONE 今こそひとつになろう」では、スポーツ界以外からも寄せられている著名人らのメッセージ動画も多数公開しています。
(THE ANSWER編集部)