【今、伝えたいこと】指導者は「上機嫌であれ」 女子バスケ大神雄子の哲学「人間は葛藤して生きている」
新型コロナウイルス感染拡大により、スポーツ界はいまだかつてない困難に直面している。試合、大会などのイベントが軒並み延期、中止に。ファンは“ライブスポーツ”を楽しむことができず、アスリートは自らを最も表現できる場所を失った。
連載「Voice――今、伝えたいこと」第9回、日本女子初プロバスケ選手からのメッセージ
新型コロナウイルス感染拡大により、スポーツ界はいまだかつてない困難に直面している。試合、大会などのイベントが軒並み延期、中止に。ファンは“ライブスポーツ”を楽しむことができず、アスリートは自らを最も表現できる場所を失った。
日本全体が苦境に立たされる今、スポーツ界に生きる者は何を思い、現実とどう向き合っているのか。「THE ANSWER」は新連載「Voice――今、伝えたいこと」を始動。各競技の現役選手、OB、指導者らが競技を代表し、それぞれの立場から今、世の中に伝えたい“声”を届ける。
第9回は、元バスケットボール女子日本代表で、現在はトヨタ自動車アンテロープスでアシスタントコーチを務める大神雄子氏だ。2008年には米女子プロリーグ(WNBA)のフェニックス・マーキュリーで開幕ロースター入りし、日本人2人目のWNBA選手となった大神氏が今、伝えたいメッセージとは。
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新型コロナウイルスの世界的蔓延で今、つい数か月前まで想像もできなかった難局に立ち向かっている。スポーツ界では、各競技でイベントが中止され、7月22日に開幕予定だった東京五輪も1年の延期を余儀なくされた。「STAY HOME」を合言葉に1日も早い事態の収束を願う中、「バスケットボールで日本を元気にできるように」という目標を掲げて、YouTubeやオンラインサロンを通じて積極的に発信を続ける人物がいる。それが、元バスケットボール女子日本代表の大神雄子氏だ。
日本女子初のプロ契約選手、日本人2人目のWNBAプレーヤー、そして中国女子バスケットリーグでは優勝を経験するなど、前例に囚われることなく活躍の場を広げてきた。2018年に35歳で引退するまで国内外で積み重ねた経験は計り知れず。現役時代から自身の経験を還元すべく、SNSを通じて発信し続けてきた。
古巣のトヨタ自動車でコーチを務める傍ら、大学院でコーチングについて学ぶ中で「自分のコーチング哲学というものが少しずつ見えてきた」。同時に「いろいろな方の哲学に触れてみたい」という思いも沸き、「本当にコーチングを学びたい人の集まり」を作り出そうと、YouTubeやオンラインサロンをツールとして使い始めたという。