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【今、伝えたいこと】部員の事故で夢を絶たれた高3の夏 ケイリン脇本雄太「あの時、諦めなくて良かった」

新型コロナウイルス感染拡大により、スポーツ界はいまだかつてない困難に直面している。試合、大会などのイベントが軒並み延期、中止に。ファンは“ライブスポーツ”を楽しむことができず、アスリートは自らを最も表現できる場所を失った。

今年2月の世界選手権で銀メダルを獲得したケイリンの脇本雄太【写真:Getty Images】
今年2月の世界選手権で銀メダルを獲得したケイリンの脇本雄太【写真:Getty Images】

連載「Voice――今、伝えたいこと」第3回、東京五輪を目指す最強の“ケイリン”選手

 新型コロナウイルス感染拡大により、スポーツ界はいまだかつてない困難に直面している。試合、大会などのイベントが軒並み延期、中止に。ファンは“ライブスポーツ”を楽しむことができず、アスリートは自らを最も表現できる場所を失った。

 日本全体が苦境に立たされる今、スポーツ界に生きる者は何を思い、現実とどう向き合っているのか。「THE ANSWER」は新連載「Voice――今、伝えたいこと」を始動。各競技の現役選手、OB、指導者らが競技を代表し、それぞれの立場から今、世の中に伝えたい“声”を届ける。

 第3回はケイリンで東京五輪のメダル獲得を目指す、脇本雄太が登場する。今年2月の世界選手権で日本人最高位の2位に入り、競輪選手としても2019年の日本選手権優勝をはじめG1 2勝、ファン投票1位など、公営競技としての“競輪”と“ケイリン”、二足の草鞋を履く男がどうしても伝えたいメッセージとは。

 ◇ ◇ ◇

 競輪界も今、我慢の時を迎えている。開催の中止が相次ぎ、“競輪ダービー”と称され、長い歴史を誇る日本選手権競輪(5~10日)も59年ぶりの中止となった。それでも他のスポーツとは違い、いくつかの競輪場で無観客ながら開催は続いている。数少ない娯楽としてレースを楽しみに待っているファンは少なくはない。そんな現状を踏まえて競輪界のエース脇本は慎重に言葉を選びながら、こう口にする。

「自粛している開催が多く、レースで走る機会が減っているのは確かです。そんな中でも僕たちはしっかり練習し、楽しみにして下さっているファンのためにもいいレースを見せたいという思いです。コロナ自粛が緩和され、ファンの皆様の前で走る機会があれば、僕らの頑張ってきた成果を見てほしいという気持ちです」

 選手や関係者に感染者が出てしまえば、全面的な中止となる可能性もある。競技の火を消すわけにはいかない。脇本自身も意識を強めている。

「競輪をライブで見てもらうためにも、細心の注意を払っています。もし現状で関係者からコロナ感染者が出てしまったら、自粛せざるを得ません。それだけは絶対に避けなければなりません。選手はみなそういう気持ちだと思います」

 脇本は競輪界を引っ張る存在であると同時に、競技としてのケイリンでは2016年のリオ五輪に出場。17年のW杯では日本勢で14年ぶりの優勝も飾った。今年2月の世界選手権では銀メダル。競輪とケイリン――。両競技でトップの力を発揮できる選手は多くはない。なぜなのか。競輪とケイリンは似て非なるものだと強調する。

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