【#キミとONETEAM】「食堂で見たポスター1枚で僕の人生は変わった」―タッチラグビー日本代表・奈良秀明
“楕円球ファミリー”として、ラグビー界と一緒に盛り上げを
きょう、初めて「タッチラグビー」を知った子がいるかもしれません。でも、ボール一つあれば、どこでも誰とでもできます。
運動嫌いの子も楽しみやすいです。まだ多くの人が知っていないので、スタートラインがだいたい一緒。競技によってはスタートからレベルが違い、途中から入る子が追いつけないこともある。そういう意味で、タッチラグビーは入りやすいスポーツで実際、僕のスクールは最初、運動嫌いだった子ばかり。まずは体を動かし、スポーツを好きになってほしいと思っています。
加えて、ラグビーをやっている子にも生きると思います。タッチされてはいけない競技なので、その感覚を身につけていけば、タックルをかわすステップワーク、パスワークを覚えることにすごく向いている。試合のテンポが速いので、状況判断が養われるというメリットがあります。ラグビーが上手になりたい子にもオススメです。
僕としてはスポーツが好きになって将来、別の競技にチャレンジしてくれてもいい。もちろん、そのままタッチラグビーを続けてくれればハッピーだし、ほかの楕円球の競技に行くこともハッピーです。ラグビー界が盛り上がれば、自然とタッチラグビー界も一緒に盛り上がっていく。“楕円球ファミリー”で一緒に活動していくことが普及には欠かせません。
僕も選手としてできるだけ長く輝き続け、1人でも多くの人に楕円球の素晴らしさを知ってもらえるように努力していきたいと思います。
【#きょうのトライ「どんなことでもいい、小さな幸せを発見して」】
これは僕がいま、心がけていることです。1日の終わりに寝るとき、自分の中でうれしかったなと思えることを探してほしい。いまは当たり前だったことが何もできない。でも、うれしいことを発見しようとするときって人はポジティブになれる。こういう小さいことが習慣づけば、大変な毎日もハッピーになってくる。
僕は最近、一人バーベキューをしているのですが、前回は火がスムーズについたんです(笑)。なかなかうまくいかなかったものが、炭の置き方を研究して、チャレンジしたら、うまくいった。たったそれだけのことでもいい。それも一つの幸せになれるから、まずはきょう意識してトライしてくれたらうれしいです。
■奈良 秀明(なら・ひであき)
1983年3月29日生まれ、東京・町田市出身。小4から野球を始め、忠生高(東京)3年まで続ける。日体大進学を機にタッチラグビーを始める。大学1年生だった01年に初めて日本代表入りし、通算5度のW杯に出場。19年大会では3位に入り、初めて銅メダルを獲得。第一人者として競技を牽引している。15年に日本初のタッチラグビースクール「町田ゼルビアBLUES」を設立し、指導者としても活動。ニュージーランド式ステップを指導するステップコーチも務める。現在は城南ジョーカーズ所属。166センチ、63キロ。
(次回は元日本代表・ホラニ龍コリニアシさんが登場)
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)