「中途半端なら止めちまえ」 トライアスロン東京五輪候補・佐藤優香に刺さった父の言葉
2018年に甲状腺機能低下症が発覚 「練習できることが当たり前ではないんだ」
今では少しも迷う気持ちはなく、トライアスロンの魅力に取り憑かれている。リオデジャネイロで念願の五輪デビューを果たし、招致プレゼンターを務めた東京五輪出場に照準を定めた2018年、甲状腺機能低下症という病気を患っていることが判明。青天の霹靂だった。疲れやすかったり、疲労回復に時間がかかったり、コンディショニング管理が重要な現役選手として厳しい状況に身を置くことになったが、「サプリメントや薬を摂りながら慎重にやっています」という。
「『なんで?』とも思ったんですが、この病気になってから、練習できることが当たり前ではないんだ、と気付くことができました。2019年は体調不良でレースでフィニッシュできないことがありました。フィニッシュできることが当たり前だと思っていたのに、そうじゃないと気付けた。苦しい状況ですが、いろいろなことを学べていますね」
苦境に立たされても、東京五輪出場は「見据えています」と断言する。
「これから先、現役を引退した後も、トライアスロンに携わっていきたいと思います。そのためには、東京五輪に出場しないと先が見えてこない。まずは東京五輪に出場して、夢を達成して、そこからまた違った形でトライアスロンと向き合えたらと思います」
トライアスロンと出会うきっかけを作ってくれた母、離れかけた気持ちを引き戻してくれた父、そしてこれまでサポートしてくれた数多くの人々に感謝しながら、代表入りを目指して全力を尽くす。
(THE ANSWER編集部)