地域の学童から卓球全国レベルが育つナゾ 基礎は劣る、でも勝てる…沖縄発「非・矯正」育成メソッド

「基礎は他クラブに劣るけど…」
大会で結果を残す選手はいるが、あくまで学童活動の一環のため、「遊びでやりたい子もいれば、大会で勝ちたい子もいる」(美優さん)という前提がある。今は2階に卓球台を3台置いているが、台の周りは、場所によっては大人一人が通れるほどのスペースしかない。充実した練習環境とは言えないのが現実だ。
育成の鍵は、雅之さんが施設運営の指針に据える言葉にある。「楽しむっていうのが一番」。この学童らしさを貫くことが、結果的に競技力の土台を形づくっている。
練習は月・水・木・金の週4日で、1日2時間。時間割のようなドリルメニューはなく、3連続でポイントを取った方が勝ち残る「王様ゲーム」をひたすら回し、にぎやかな雰囲気で勝負を繰り返す。金曜日だけは内容が異なるが、この日も公式戦仕様の1ゲーム11点先取でランキング戦を行い、同じく実戦形式だ。フォームや動きを確認する反復練習をするのは、公式戦を目前に控えた時期だけだという。
その代償として、雅之さんは「基礎は他のクラブの選手に比べたら劣ると思います」と認める。では、なぜ試合で勝てるのか。美優さんが端的に言語化する。
「ハッピー学童の子たちは試合の仕方が上手です。練習ドリルでいっぱいボールを打っても、本番でその通りの実力を出すのは大人でも難しいことです。でも、この子たちは日々たくさんゲームをしているので、試合の流れ、組み立て方が上手い。基礎で劣っていても、勝つ力はあるのかなと思います」
「流れのスポーツ」という要素が強い卓球。技術だけでなく、戦術や心理戦も複雑に絡み合い、一瞬の集中力や心の浮き沈みで劇的に形勢が変わることも珍しくない。ハッピー学童クラブの選手たちはゲームを繰り返す中で経験値を積み上げ、「流れを読む感覚」「相手が嫌がるプレーを選択する判断力」を養っているのだ。
もちろん、基礎を軽んじているわけではない。学童の中で「楽しむ」ことを軸にしているため、子どもたちが交流しやすいゲーム形式が練習の主体となり、結果として試合感覚が磨かれている。
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