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地域の学童から卓球全国レベルが育つナゾ 基礎は劣る、でも勝てる…沖縄発「非・矯正」育成メソッド

コンッ、カンッ――。放課後の学童に、小気味いい打球音と子どもたちの無邪気な笑い声が響く。ここは、沖縄本島中部の宜野湾市にある「ハッピー学童クラブ」。約40年にわたって地域の子育てを支えてきた歴史ある施設だ。もうひとつの顔は、沖縄卓球界の小学生カテゴリーにおける強豪であること。ほのぼのとした施設名の印象からは意外なほど、九州、全国レベルの選手を多く輩出してきた。もちろん、競技専用の施設でも、強化を掲げるスクールでもない。地域の子どもたちを受け入れる学童から、なぜ力のある選手が育つのか。

ゲーム形式で練習するハッピー学童クラブの子どもたち【写真:長嶺真輝】
ゲーム形式で練習するハッピー学童クラブの子どもたち【写真:長嶺真輝】

沖縄のハッピー学童クラブ――卓球台を置いた理由は「運動不足の解消」

 コンッ、カンッ――。放課後の学童に、小気味いい打球音と子どもたちの無邪気な笑い声が響く。ここは、沖縄本島中部の宜野湾市にある「ハッピー学童クラブ」。約40年にわたって地域の子育てを支えてきた歴史ある施設だ。もうひとつの顔は、沖縄卓球界の小学生カテゴリーにおける強豪であること。ほのぼのとした施設名の印象からは意外なほど、九州、全国レベルの選手を多く輩出してきた。もちろん、競技専用の施設でも、強化を掲げるスクールでもない。地域の子どもたちを受け入れる学童から、なぜ力のある選手が育つのか。

 ハッピー学童クラブのルーツは、クラブ長を務める與那覇雅之さんの母が始めた保育園にある。43歳の雅之さんが生まれた頃に開設し、今は学童のみを運営している。母はいまなお現場に立ち、雅之さんの娘の美優さんも運営に携わる。子どもたちは体を動かして元気に遊んだり、学校の宿題をやったりして過ごす。アットホームな学童が信条だ。

 学童活動に卓球を組み込んだのは約20年前。きっかけは日常の中のひょんな出来事だった。

 雅之さんが地元新聞に目を通していると、「学童の少年野球チームが初勝利」という記事が目に留まった。ちょうど子どもの運動不足が問題視され始めていた時期。「おもしろい。運動不足を解消するために自分たちも何かできないかな…」。そんな思いでスポーツ用品のカタログを手に取ると、卓球台が安売りされていた。これなら、建物内の限られたスペースでもできる。1台購入して、事務所を兼ねた2階に置いた。

 意図した通り、遊びの延長線上でラケットを握り、体を動かす子どもたち。やり始めて間もない頃、ルールを覚えた子どもたちが「大会に出てみたい」と言い出した。遊びの範囲内という認識だったが、子どもの自主性を尊重して県卓球協会にクラブとして登録。数人が県大会に出場した。

 結果として、全体の出場人数が少なかったこともあるが、2年生の男の子がベスト4に入った。小さな成功体験が火をつけたのか、子どもたちがより積極的に卓球台へ向かうように。この2年生の代が6年生になった時には、団体戦で全国大会に出場した。

 時期によって波はあるものの、その後も九州、全国大会に出場する選手を継続して輩出してきた。3歳で初めてラケットを握ったという美優さんもハッピー学童クラブで育ち、小学校2年、4年、6年時に全国の舞台を経験。小学校卒業後も競技を続け、福岡県の強豪校である中村学園女子高校時代には主将も務めた。

 現在通う選手たちも力があり、昨年8月に行われた団体戦のロートカップ第43回全国ホープス大会に男子3人が沖縄県代表として出場。各チームとも6年生が主体の中、ハッピー学童クラブは4、5年生のみのメンバー構成で予選グループリーグを1位通過し、決勝トーナメント進出を果たした。

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