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酒井高徳と議論「長く活躍できる選手を育てる」 日本からドイツに渡って受けた衝撃とは

育成年代でもプロも同じく、睡眠・栄養・運動のバランスが大切

 ベースとなるライフスタイル(生活習慣)で大事なことは、睡眠・栄養・運動のバランス。プロアマ問わず、早くしっかり寝て睡眠を取ることが基本。睡眠の質を高めるためには逆算して何時に寝るか、食事は何時に摂るか。朝は何時に起きて何を食べればいいか。「『早寝・早起き・朝ご飯』。育成年代は、まずはこれを保護者と選手が一緒に取り組むといいと思います」(大塚氏)

「ドイツ滞在時代に自炊していた時は、チーム高徳の管理栄養士さんに相談してメニューを決めていました。作ったものを写真に撮って送り、フィードバックをもらって改善していく。ここでもフィードバックが役立っていました。自分の話、考えを聞いてもらって対話する。そしてフィードバックをもらう。育成年代の親や指導者の皆さんには、お子さんたちが主体的に考えて自発的に行動できるような問いかけや、やる気を起こすフィードバックをぜひやってあげてほしいなと思います」(酒井選手)

 育成年代の選手が自己管理を行うことは容易ではありませんが、まずは何から始めればよいのか、お二人からアドバイスをもらった。酒井選手は、「まず自分がどうなりたいかを設定し、そのために自分が何をしなければならないかを考える」ことが大事だと語る。「そのためにこのトレーニングや取り組みがある、と考えられるといい」。いろんな情報がある中で、自分に何が必要かを選択するときにも、目標が定まっていれば進む方向が決まってくる。

 大塚氏は、「つい誰かの成功例を真似してしまいがちだけれど、真似をするなら『人ではなくコンセプトを重視するべき』ですね」。先ほど紹介したピラミッドや主体的なコンディション管理のサイクルが、まさにコンセプトの部分、指導者と選手がそこを共有し、ブレずにやっていくことが重要だと語った。

 なお、大塚氏が手がける事業の一つとして、このスポーツライフマネジメントをコンセプトから学べるジュニアアスリートサポーター養成講座を、保護者や指導者を対象に開催している。(https://www.athletes-supporter.com/

TORCH Live Meeting Vol.5「『チーム高徳』と議論する 長く活躍できる選手を育てる」セッションは、この後、お二人へ多くの保護者や指導者からの質問が寄せられ質疑応答パートでも熱い議論が交わされた。

 アーカイブ動画で全編視聴できる。(https://youtu.be/VsfX1oe3ZDU

■酒井 高徳 / Jリーグ・ヴィッセル神戸所属 プロサッカー選手

 1991年生まれ、新潟県出身。10歳でサッカーを始め、高校入学後、アルビレックス新潟ユース(現U-18)に所属。年代別の日本代表に選出される。2009年、トップチームに昇格。2010年より、日本代表として(サポートメンバーを含む)3回のW杯を経験。2011年12月よりドイツに渡り、シュトゥットガルト、ハンブルガーSVでプレー。ハンブルガーSVではブンデスリーガ史上初の日本人キャプテンを務め、注目を集める。2019年にヴィッセル神戸に移籍。現在、主力選手として活躍。昨シーズン全試合出場、今シーズンも全試合出場中。

■大塚 慶輔 / 株式会社ライフパフォーマンス代表取締役、なでしこジャパン・U-20日本女子代表フィジカルコーチ

 1977年生まれ、北海道出身。筑波大学大学院を修了後、フィジカルコーチとして、JEFユナイテッド市原・千葉や大宮アルディージャなど数々のJリーグチームでの指導をはじめ、筑波大学附属駒場中高校サッカー部やアルビレックス新潟ユースなどの育成年代の指導も歴任。豊富な知識・経験を基に多くのアスリートの成長に寄与している。2017年、株式会社ライフパフォーマンスを設立。パーソナルジム「LP BASE Toranomon」「LP BASE Setagaya」を運営する。また競技時間(運動)だけでなく、栄養や休養といった生活習慣を包括的に管理する「スポーツライフマネジメント」の重要性を広く啓蒙する活動の一環として「アスリートサポーター養成講座」を立ち上げた。

(記事提供 TORCH)
https://torch-sports.jp/

(河津 万有美 / Mayumi Kawazu)

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