酒井高徳と議論「長く活躍できる選手を育てる」 日本からドイツに渡って受けた衝撃とは
サッカーJリーグ・ヴィッセル神戸所属の酒井高徳選手が、7月11日に開催されたオンラインイベント「TORCH Live Meeting」に登場した。テーマは「『チーム高徳』と議論する 長く活躍できる選手を育てる」。10年以上前から酒井選手をサポートする大塚慶輔氏とともに、長く活躍する選手はどこが違うか、育成年代にどんな準備を行っておくべきか、酒井選手の研ぎ澄まされたセルフコンディショニング意識はどう培われたのか……などを題材に、視聴者からの質疑も交えて行われた。今回はその内容をお伝えする。(文=河津 万有美)
ドイツと日本、遠隔で始まった「マルチサポート体制」
サッカーJリーグ・ヴィッセル神戸所属の酒井高徳選手が、7月11日に開催されたオンラインイベント「TORCH Live Meeting」に登場した。テーマは「『チーム高徳』と議論する 長く活躍できる選手を育てる」。10年以上前から酒井選手をサポートする大塚慶輔氏とともに、長く活躍する選手はどこが違うか、育成年代にどんな準備を行っておくべきか、酒井選手の研ぎ澄まされたセルフコンディショニング意識はどう培われたのか……などを題材に、視聴者からの質疑も交えて行われた。今回はその内容をお伝えする。(文=河津 万有美)
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【テーマ1:サッカー選手が、長く活躍し続けるために必要な要素は?】
将来にわたって長くスポーツ界で活躍するためには、どのようなトレーニングやコンディショニングを行うべきか? また、そのようなアスリートを育成するためには、どのようなサポートをすればよいか? とお悩みの方々にとって、大きなヒントになるお話を、Jリーグ・ヴィッセル神戸所属の酒井高徳選手、そして酒井選手をサポートする大塚慶輔氏に語ってもらった。
酒井選手は、ユースの日本代表に始まり、日本代表として3回のW杯を経験、シュトゥットガルト、ハンブルガーSVでプレー。ハンブルガーSVではブンデスリーガ史上初の日本人キャプテンを務めた。約20年にわたり、大きな怪我もなくトップレベルで活躍し続ける酒井選手を、ユース時代も含め約17年にわたって支えてきたのが大塚氏だ。
今回のセッションのタイトルにもなっている「チーム高徳」とは、大塚氏と複数の専門家からなる酒井選手のサポート体制のこと。
この図の中心にいるアスリートが酒井選手、パフォーマンスコーチが大塚氏。ほかに、メンタルコーチ、スポーツ栄養士、スポーツドクターなどのプロフェッショナルがそれぞれの分野から支えるマルチサポート体制をとっている。
大塚氏はこのようなスキームを確立し、さまざまなアスリートやビジネスパーソンをサポートする事業も行う。
「このサポート体制は、シュトゥットガルトに移籍した頃(2011年)に始まりました。海外生活で、栄養や休養のコントロールとパフォーマンス向上を大塚さんと自己管理。二人だけで達成するのは難しく、各種専門家の客観的な意見やサポートをもらい、自分はパフォーマンスを出すことに専念したかったんです」(酒井選手)
一方の大塚氏は、以前から「運動」「栄養」「休養」は包括的にサポートするべきと考えていた。酒井選手からの依頼を機に、専門家の方々と一緒にチームを作ることを提案。お互いの意見が一致し、「チーム高徳」として運用を開始した。