「監督が選手より興奮するのは当たり前」 日本代表・森保一監督とドイツ皇帝の共通項
監督選手でW杯優勝「もうこれ以上望むものはない」
逆に4年後のイタリア大会の決勝は、絶対に勝つことがわかっていた。相手(アルゼンチン)の状態が悪過ぎて、どんな形であろうが勝つに決まっていた。この時の西ドイツ代表は、私にとって理想的なチームだった。理想とは、良いプレーをして、その上で勝つことを意味する。いくら良いプレーをしても、負けてしまっては、良いサッカーとは言えない」
その後ベッケンバウアーは、スーツ姿でもピッチで仕事をすることはない。
「サッカーの世界ではワールドカップで優勝する以上のことはない。それを主将として、さらに監督として経験できたのだから、もうこれ以上望むものはない。サッカーで全てをやり尽くしたということで、仮にまた監督のオファーが来ても引き受けることはない」
このインタビューから約四半世紀。日本にも、選手、監督両方の立場でアジアカップ決勝の舞台に立った人物が誕生した。
(加部 究 / Kiwamu Kabe)