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サッカーの「本当の基本」とは 日本人元プロ選手がブラジルで得た「奪われない感覚」

「利き足でボールを持つ選手たちは体幹が作れていて、軸がぶれない」

 右も左も同じように――。長い歳月をかけて日本に染みついた常識は、完全に世界の常識から乖離しているのかもしれない。

「お父さんがブラジル人だけど、日本で生まれ育った子がいました。彼はゲームをしていて初得点して大喜びをしたんですが、それは自分のゴールに蹴り込んだものでした。日本で生まれ育った子には、そこから教えなければいけない。利き足で、と言わなければならないのは、やはり日本だからだと思います」

 桧垣が続けた。

「利き足にこだわる指導は、明光サッカースクールの品川校で指導をしている金田喜稔さんには理解して頂きましたが、典型的な左利きの名波(浩)や岩本輝雄でも、子供たちには『両足で』と教えています(笑)。

 でもメッシもマラドーナもシャビもイニエスタも、肝心な時は必ず利き足で仕掛けますよね。シャビは相手が右から来ても左から来ても、必ずキープする時は右を使います。またこうして利き足でボールを持つ選手たちは、きちんと体幹が作れていて、軸がぶれない。メッシにしてもマラドーナにしても、世界中で最も厳しくマークされる選手が、相手に怪我をさせられることはあっても、自分の動きで大きな故障をしたことがありません」

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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