涙の「4冠」 “九州の怪物”荒竹一真、大接戦の判定勝ちに苦渋「相手に申し訳ない」
全国高校総体(インターハイ)のボクシングは2日、宮崎市総合体育館で準決勝が行われ、ピン級では1年生で高校3冠を達成した荒竹一真(2年=鹿児島・鹿屋工)が尾崎優日(2年=大阪・興国)と対戦。大接戦の末に3-2のポイント勝ちを収め、4冠を達成したが、試合後は「申し訳ない」と涙が止まらなかった。
インターハイボクシング、ピン級は荒竹が接戦制し「4冠」達成
全国高校総体(インターハイ)のボクシングは2日、宮崎市総合体育館で準決勝が行われ、ピン級では1年生で高校3冠を達成した荒竹一真(2年=鹿児島・鹿屋工)が尾崎優日(2年=大阪・興国)と対戦。大接戦の末に3-2のポイント勝ちを収め、4冠を達成したが、試合後は「申し訳ない」と涙が止まらなかった。
まるで敗者のようだった。試合後、荒竹は目に涙を浮かべながら、「負けたと思った。相手選手にすごく申し訳ない気持ちです」とこぼした。
両者の気迫がぶつかり合った。この階級での大本命と目されていた荒竹だが、尾崎の出足に苦戦。最後まで思うようなボクシングができなかったが、結果は3-2の判定で自身の手が上がった。
「1、2ラウンドは取られていたと思う。3ラウンドは取ったかもしれないけど…。そんな中で申し訳ない。相手が前に出てきて、自分はなかなか出られなかった。本当に申し訳ない」。“申し訳ない”という言葉を何度も絞り出した。
高校1年で3冠を達成した軽量級の怪物。高校では無敗で、今大会でも決勝まで危なげなく勝ち上がってきた。頂点を争う相手は親友の尾崎。試合前には健闘を誓いあっていたが、試合後には「ごめん」と頭を下げたという。「『ありがとう』と言ってくれました。思っていたイメージとは違った。プレッシャーに押されました」と反省ばかりが口をついた。
微妙な判定でも勝ちには違いない。無敗での4冠という偉業を成し遂げた。秋の国体で5冠がかかる。「次は誰もが納得いくような試合をしたい」。勝って味わう悔しさを糧に、怪物はまた一回り大きく成長するはずだ。
(THE ANSWER編集部・角野 敬介 / Keisuke Sumino)