大躍進の北陸が13年ぶり決勝 主将の一喝でミラクルチームに変貌「崩壊危機あったが…」
決勝で迎え撃つ福岡第一コーチ「すごく乗っているし、高校生は分からない」
2年生が多く出るのは、試合の中盤から。先発のほとんどは3年生だ。しかし、大会に入るまでは、試合の出足が鈍かった。2年生の土家は「主将が『3年生は何をやっているんだ、3年生のチームじゃないのか、恥ずかしくないのか』と言って、あのミーティングから、弱みだったスタートの弱点が消えて、最初にリードして逃げ切る試合ができるようになった」と話した。散漫になっていた気持ちが、主将の一喝でまとまった。試合に出る者は、求められるプレーを全力で、試合に出ない者もスタンドから声を出すチームになった。今大会、北陸の応援の勢いは、すさまじい。伊藤は「シュートが決まった後とか、ボールをスティールした後の応援がすごい。いつもは、集中していて、そんなの聞こえないのに、すごく聞こえる」と嬉しそうに話し、土屋は「ベンチとベンチ裏の応援団が盛り上げてくれたから」と準決勝後に感動で泣きそうになるのを必死でこらえていた。
冷静に実力を考えれば、福岡第一の優位は揺るがない。しかし、勢いのつきやすいトーナメント戦で、高校生が行う試合に「絶対」は存在しない。決勝で北陸と対戦する福岡第一の井手口孝コーチも「相手が、すごく乗っているし、高校生は分からない。毎試合、上手くなっている印象。明日も気を付けないといけない。あれだけ気持ちよくシュートを打たれたら、危ない。インサイドは優位性を持てるかなと思うし、アウトサイドをしっかり守れれば」と警戒心を示した。実力の福岡第一か、勢いの北陸か。令和元年のインターハイ王者は、どちらか。
◇インターハイのバスケットボールは7月28日から8月2日まで熱戦が繰り広げられる。今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開。インターハイ全30競技の熱戦を無料で配信中。また、映像は試合終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)