身上は「相手の逆を突く」― 魅惑の“攻撃サッカー”貫く神村学園の強烈な個性
指揮官はどんなに強いチームとも勝負できると断言
左DFの下川床勇斗(3年)は「最初は全然、理解できなかった。監督の言っている意味がよく分かりませんでした。でも、今になって考えると、あのときは、ボールと自分の関係ばかりを意識したプレーでした」と修得過程を振り返ったが、今では「相手を見て、それに応じて自分も動くし、味方も動かす」と話す、神村サッカーを体現する一人のキーマンとなっている。
有村圭一郎監督は「ドリブルで突破を仕掛けても良いです。でも、それだと相手に捕まる可能性が出てくる。本当に上手い選手は(動きを予測されず)相手に捕まらずにプレーできる選手」と話す。そして、高校生同士で戦う試合で、これができれば、どんなに強いチームとも勝負できると断言し、個々の能力に頼らず駆け引きで勝てる選手の育成、チーム作りを推し進めている。
神村学園は、過去にインターハイ、全国高校選手権でベスト4の成績を残しており、全国的にも取り組みが注目されているチームだ。プロ選手も複数輩出している。選手たちは「私生活から相手(の考えや気持ち)を優先して考えてみろ」と言われているという。
主将を務めるMF軸丸広大(3年)は「全国大会では、止まってパスを回していたら、攻撃のチャンスは作れないと思います。もっと人が動きながら、ボールを動かしていけるようにしたいです。どこと対戦しても、相手の逆を取るサッカーを見せて、優勝したい」と意気込んだ。相手に捕まらず、逆を突くサッカーで日本一へ。暑い沖縄で悲願成就に挑む。
◇インターハイのサッカー男子は7月26日から8月1日まで熱戦が繰り広げられる。今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開。インターハイ全30競技の熱戦を無料で配信中。また、映像は試合終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)