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僅差の8強敗退も「楽しかった」 監督の“喝”で再結束…泣いて笑って大忙し、かけがえのない夏の物語

飛騨高山の選手たちは大会を通して成長していった【写真:山田智子】
飛騨高山の選手たちは大会を通して成長していった【写真:山田智子】

監督からの“喝”でチームワークが復活

 エースの松野は、2回戦の日川(山梨)戦後に細江監督から喝を入れられたことが一つのきっかけになったと明かす。残り10分で24-13と11点のリードを築きながら、終盤に7連続失点をして、5点差まで詰め寄られる後味の悪い勝利だった。

「レギュラーメンバーと途中から試合に出た選手の覚悟の差がありすぎる。(ベンチ入りメンバー)14人にはそれぞれに役割がある。自分がプレーできるのは、周りの助けがあるから。お互いに助け合わなければいけない。全員で戦わなければ、ここから先は戦えない。目標としているベスト8は達成できない」

 細江監督は厳しい言葉で、選手たちに今一度チームワークの大切さを考えさせた。選手は、指揮官の言葉を受けて、その夜に話し合ったという。

「3年生、ベンチメンバーがバラバラになりかけていたけど、先生が言ってくださって、もう一度チームが一つになって、気持ちを入れ直して試合に臨むことができました。苦しい時間帯も、先生や応援の声で走り切ることができました」(松野)

 もともとは仲の良いチーム。「仲が良すぎて、お互いに言いたいことをはっきりと言いすぎるので、今日(準々決勝)もコートの中で喧嘩していましたね」と細江監督は苦笑いする。

 みんなで走って、喧嘩して、泣いて、笑って。すべてを出し切った、かけがえのない夏だった。

(山田 智子 / Tomoko Yamada)

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山田 智子

愛知県名古屋市生まれ。公益財団法人日本サッカー協会に勤務し、2011 FIFA女子ワールドカップにも帯同。その後、フリーランスのスポーツライターに転身し、東海地方を中心に、サッカー、バスケットボール、フィギュアスケートなどを題材にしたインタビュー記事の執筆を行う。

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