[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

地元愛が生んだ“トリックCK”大成功 帝京長岡、インハイ初16強の裏にあった選手の自由な発想

全国高校総体(インターハイ)の男子サッカーは28日に2回戦を行い、帝京長岡(新潟)が4-0で龍谷(佐賀)を破り初の3回戦進出を決めた。

オリジナルのセットプレー「長岡花火」からダメ押しの4点目を奪った帝京長岡DF下田蒼太朗【写真:平野貴也】
オリジナルのセットプレー「長岡花火」からダメ押しの4点目を奪った帝京長岡DF下田蒼太朗【写真:平野貴也】

「長岡花火」と命名、相手を惑わす動きからダメ押し弾

 全国高校総体(インターハイ)の男子サッカーは28日に2回戦を行い、帝京長岡(新潟)が4-0で龍谷(佐賀)を破り初の3回戦進出を決めた。

 自慢の攻撃力で圧倒してみせた。球際でボール奪取を狙う相手の守備を、巧みな連係で翻弄。前半にFW安野匠(3年)が相手の背後への抜け出しから2得点。さらに右CKをファーサイドで待ち受けたDF下田蒼太朗(3年)が追加点を奪い、3-0と大きくリードした。後半は、守備を中心とした戦いになったが、跳ね返して無失点。後半28分に左CKを再びDF下田が得意のヘディングで叩き込み、ダメ押しの4点目を奪った。

 4点目となるCKでは、キッカーのDF稲垣潤(2年)が右足で助走を取る前、ゴール前に不思議な光景が広がった。帝京長岡の選手は、1人を中心に置いて円陣を組むように丸くなった。円になった選手がぐるぐると回り、相手に思うようにマークをさせないようにして散らばるパターンなら、2022年度の全国高校サッカー選手権で話題となった、高川学園(山口)の「トルメンタ」(スペイン語で台風の意)だ。しかし、帝京長岡の選手は、回ることなく「イッチ、ニー。イッチ、ニー」と掛け声をかけながら、円になったまま数歩ゴール方向へ前進。何をやるのかと思ったところで、稲垣のキックと同時に広がるようにパッと散った。

 そのうちの1人でゴールを決めた下田は「あれ、名前は『長岡花火』っていうんですけど。丸くなって一気に散るので。(6月末に行った)プレミアリーグのヴィッセル神戸戦で初めてやって、最近はやっていなかったんですけど、今日、やってみようって」と2度目の挑戦となったオリジナルのセットプレーで、初得点を奪ったことを明かした。

 アイデアは、新しいセットプレーを考えていたミーティングで選手が発案。大きな花火のように一斉に広がる様子から「長岡花火」と名付けた。地元の一大イベントにかけたネーミングだ。新潟県長岡市で毎夏開催されている長岡まつりの大花火大会は、日本三大花火大会の一つとして知られている。信濃川の河川敷で、直径約650メートルの大輪を咲かせる「正三尺玉」や、打ち上げ幅が約2キロにも及ぶ「復興祈願花火フェニックス」が有名だ。下田もサッカー部の仲間と2年連続で観覧しており「今まで見たことないような、めっちゃデカい花火で感動しました」と、その迫力に魅了された1人だ。

1 2
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集