「辞めようかな、無理だ」のトラウマ脱却の大外刈 女子団体V、佐賀商・中野弥花「言葉にならない」
部活で一番好きな時間「泣きじゃくって、おかしくなってるけど(笑)」
3月の全国選手権、無差別級で殻を破る優勝。ちょっとだけ前向きになって、ようやく気付けた。
「畳の上では一人。でも、仲間の声が試合中も聞こえて『よし』って気持ちにさせてくれるんです。キツいところでさらにもう一歩、試合中も大丈夫だって思えます」
小学1年生で始めた柔道。とことん自分たちを追い込む佐賀商の練習に魅了されて入学した。やってみると信じられないくらいキツいけど、部活に打ち込む中で一番好きな時間だ。
「めちゃくちゃしんどい追い込みをドンとする日があるんですけど、皆でやり切れた後がスカッとします。泣きじゃくって、みんなおかしくなってるけど(笑)。選手はそれぞれ調子いい日、上がらない日が正直あるし、皆が一つになるのは難しいけれど、できたときは感動します」
12日の個人戦78キロ級で2冠を目指す。「嬉しいけれど、全然ホッとしていない。まだ終わってないので、最後まで気を抜かず勝ち切ります」。夢は「五輪優勝です」と話す中野の目は、一点の曇りもなかった。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)